合格を勝ち取る怒涛の追い込みにはもちろん理由がある
大学受験において、秋以降に現役生は驚異的な伸びを示します。
春夏時点の浪人生のアドバンテージが余裕で逆転されてしまう場合も珍しくありません。
その中でも、部活をとことんやってきた学生の伸びは特筆ものです。
大学受験であろうが、高校受験だろうが、彼ら(彼女ら)は鮮やかにゴールテープを切ります。
何がそうさせるのでしょうか?
部活動に打ち込む2つのタイプ
3年生の引退時まで、部活に青春を捧げるタイプには2通りあります。
- 勉強が嫌い(苦手)で、部活に学校生活を賭けているタイプ
- 目標に向かって努力し、目標をクリアすることに価値を見出すタイプ
前者は、才能があれば、スポーツや文化の領域で一流になれる可能性を秘めています。
多くの場合は、平々凡々の成績のまま、学校生活の良い思い出を胸に卒業していくことでしょう。
後者は、青春の貴重な時間を有意義に過ごしたいので、成績や結果も大事だけれど、仲間との連帯を求め、努力のプロセスを重要視するタイプとなります。
言うまでもなく、この人たちが、部活を「卒業」後、猛然と成績を上げてくるタイプとなります。
部活と受験は瓜二つ
怒涛の追い込みを決める彼ら(彼女ら)にとっては、ある意味、部活も受験も「同じもの」であると言えます。
プロジェクトという観点から見れば、ほとんどそっくりなのです。
- 目標がある
- 計画的である
- 毎日少しづつ前進する
- 定期的に成長を実感できる
- 努力の結果が数字で現れる
- 競争的である
唯一の違いは、ひとりで戦うのか、集団で戦うのかの違いぐらいです(集団競技でなければほぼ同じ)。
彼ら(彼女ら)の欲するもの
もうすでにお分かりのように、
彼ら(彼女ら)は、目標を立て、目標に向かって一定の努力を継続しながら、結果を出すことに無類の喜びを感じる精神構造を有しているのです。
ゆえに、
極論すれば、情熱の対象は部活であろうと、受験であろうと、どちらでも構わないと言えます。
努力の結果が、形になって現れ、報われるのであれば、それで(それだけで)いいのでしょう。
なぜ、受験に強いのか
部活を通じて、一度プロジェクトを遂行する経験を済ませているので、彼ら(彼女ら)にとって、不安はあるにせよ、未来は全くの不透明ではなく、想定の範疇に属するものであるはずです。
加えて、
努力を続ける耐性を身につけています。
これが一番大きいです。
学習の習慣化を受け入れやすい心的状態が整っているのです。
おまけに、
部活で培った度胸や集中力も持ち合わせています。
スポーツ系のクラブであるならば、体力も申し分ないでしょう。
なんと言っても、負けず嫌いの性格を有している人間が多い。
追い込むための条件が揃っているのです。
彼ら(彼女ら)の凄み
タイプにもよりますが、塾や予備校に通わなくても、通信教育や映像授業で自主的に自律的に学習を進めていくことができる学生が多いようです。
限られた時間の中で、集中力を爆発できるのだから、成績が伸びない道理はないでしょう。
文句のつけようがありません。
だから、部活を精一杯やり切りましょうという短絡的な結論ではありません。
部活動は、彼ら(彼女ら)にとって、受験のいいトレーニングになっていたと言えるに違いありません。