衣食住の衣は性欲と関連している。ならば、衣食住全体も人間の根源的な欲求に結びついているのではないのか。
寒さや暑さをしのぐために人は衣服を身につけます。
それとは別に、ファッションのために着飾ることこそが現代における「常識」であることは言うまでもないでしょう。
機能性と同等以上にファッション性は無視できません。
なぜ人は着飾るのでしょうか?
自己顕示欲のあらわれであることがまっさきに挙げられます。
と同時に、異性へのアピールのために行うものである側面も否定はできないでしょう。
異性へのアピールの根底には性欲が横たわっているはずです。
このように、人間の欲望・欲求、とりわけ生理的な欲求が、もしかすると衣食住のそれぞれに深く結びついているのではないかと想像しました。
以下、人間の三大欲求から衣食住を考えてみたいと思います。
三大欲求とはなにか
人間の三大欲求とは「性欲」「食欲」「睡眠欲」の3つを一般的に指します。
生物としての人間が生存するために必要不可欠な欲求です。
このうちの食欲と睡眠欲を満たさなければ、人間は生存することができません。
不足してしまうと死に至ります。
性欲は満たされなくても直接的に生き死に関わることはもちろんありません。
けれども人類の存続(子孫の繁栄)にとっては、大変重要な欲求であることは間違いのないところです。
三大欲求と比較してみましょう
衣食住を三大欲求と比較してみます。
- 「衣」>>>「性欲」
- 「食」>>>「食欲」
- 「住」>>>「睡眠欲」
「食」は「食欲」に直結します。そのものズバリとなります。
「住」は「睡眠欲」に連関していると言えるでしょう。
なぜなら、寝床は眠るための場所であり、それはそのまま住処を指し示すからです。
「衣」は「性欲」に連関しているらしいことは冒頭に少しばかり触れました。
以下に詳しくみていきましょう。
相手にアピールすることが衣の原点である
性欲を満たすためにはパートナーを振り向かせることが非常に大事となります。
同性であろうが異性であろうが、年上であろうが年下であろうが、変わりはありません。
「衣」は「暑さ寒さをしのぎ身体を防護するもの」
このような第一義的な意味合いを持ちます。
それと同時に「社会性」を象徴するものであるのです。
そのひとの「地位」や「感性」といったすぐには分かりかねる類いのものを、
人はその人が「身につけているファッション」からある程度推測することができるです。
言うまでもなく、ファッションとは自己表現にほかなりません。
ゆえに自己顕示のためだけに着飾る人もなかにはたくさんいます。
その一方で、そのような自己愛とは異なる目的をもって着飾る人も同程度いるでしょう。
自己表現とは他者へのコミュニケーションの手段のひとつに違いありません。
それもかなり有効な手段です。
着飾るという行為のその先には常に「恋する対象(候補)や愛する対象(候補)」がいるはずなのです。
ベクトルは確実にそちらの方向を指し示しています。
太古の昔からあらゆる場所で、
人類はモテたいという動機に基づき、髪型を整え、化粧をし、晴れ着で全身を着飾ってきました。
着飾るという行為の最終到着地点は性欲を満足させるというゴールであると言えば言い過ぎでしょうか。
生きる上で必要なものである欲求と基盤
生活に不可欠な要素が衣食住です。
一方、人間にとっての三大欲求は食欲、睡眠欲、性欲となります。
- 生きる上で必要不可欠なものを生活の構成要素からみれば、それこそが衣食住なのです。
- 生きる上で必要不可欠なものを生理面からみれば、それが性欲・食欲・睡眠欲なのです。
あなたは同じものを違った角度から見ているに過ぎないのです。