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村上春樹の小説世界が映画化された作品のリスト

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予想通り、作品の数は本当に少ない

世界的作家である村上春樹氏の小説世界の映像化を試みようとする映像作家は、後を絶たないと容易に想像できます。

自身の世界観を厳格に管理する姿勢を決して崩さない村上から映画化の承諾を得ることは、とてつもなく高いハードルに違いありません。

彼の承諾を勝ち得て作品化されたものは、2021年1月現在、全部で7作品に限られます。

「ノルウエイの森」の場合は、エクステンデッド版を同じと数えています。

  1. 風の歌を聴け(1981)
  2. 森の向こう側(1988)
  3. トニー滝谷(2005)
  4. 神の子どもたちはみな踊る(2010)
  5. ノルウエイの森(2010)
  6. ハナレイ・ベイ(2018)
  7. バーニング(2019)

「ドライブ・マイ・カー」が濱口竜介監督によって映画化予定です。本作は村上の短編小説集「女のいない男たち」に収録されている短編です。

風の歌を聴け(1981)

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原作「風の歌を聴け」は1979年発表。

デビュー作を芦屋市立精道中学の後輩である大森一樹監督が映画化しています。

キャステイングが秀逸です。

  • 僕(小林薫)
  • 女(真行寺君枝)
  • 鼠(巻上公一)
  • ジェイ(坂田明)
  • 三番目の女の子(室井滋)
  • ディスクジョッキー(阿藤快)

「僕」のイメージは小林でトドメという感じです。

真行寺君枝のチャーミングさは息を呑みます。

鼠は私のイメージとは少しだけ違いますが、クールさは十分発揮されています。

ジェイはうなるしかない。

古き良き、神戸・芦屋・西宮の空気がフィルムに充満していて、大変懐かしかったです。

記録映画としても非常に貴重なフィルム的財産であると言えます。

森の向こう側(1988)

原作「土の中の彼女の小さな犬」は1983年発表。「中国行きのスロウ・ボート」収録。

野村恵一氏の第一回監督作品となりますが、現在見ることができません。DVDの発売を希望します。

トニー滝谷(2005)

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原作「トニー滝谷」は1990年発表。「レキシントンの幽霊」収録。

村上作品のテイストをできるだけ壊さないように市川準監督が映画化しました。

朗読劇的要素が強いですが、なんとも不思議なムードが漂う仕上がりとなっています。

宮沢りえの存在感が圧倒的です。

ヘップバーンのように、妖精感を振りまいています。

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イッセー尾形の「場」を結果として制圧する力量はハンパがありません。

私には少しばかり強すぎました。

神の子どもたちはみな踊る(2010)

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原作「神の子どもたちはみな踊る」は2000年発表。「神の子どもたちはみな踊る」収録。

ロバート・ログヴァル監督によるアメリカ映画です。

メリハリのない仕上がりなので、それをどう評価するかで意見の分かれるところです。

ノルウエイの森(2010)

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原作「ノルウエイの森」は1987年発表。

「青いパパイヤの香り」で著名なトラン・アン・ユン監督による日本映画。

直子役に菊地凛子を配した時点で、映画的成功は約束されていたのでしょう。

原作の雰囲気を観るものにナチュラルに感じさせるという意味では、この作品が最上でしょう。

倦怠感スレスレの寸止め感が堪りません。

キズキ役は劇中では高良健吾でしたが、私のイメージは間違いなく伊勢谷友介です。

ハナレイ・ベイ(2018)

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原作「ハナレイ・ベイ」は2005年発表。「東京奇譚集」収録。

松永大司監督による日本映画。

主人公のサチを演じられるのは吉田羊しかいないことがはっきりとわかります。

重要なポジションを占める若手のサファーたちの演技が弱く、非常に惜しいです。

栗原類の存在感が光っていました。

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バーニング(2019)

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原作「納谷を焼く」は1983年発表。「蛍・納谷を焼く・その他の短編」収録。

「オアシス」で著名なイ・チャンドン監督による韓国映画。

傑作です。

村上作品を下敷きとし、表層的な模倣ではなく、作品の本質がスクリーンを縦走します。

詳しい感想については、以下、別エントリーで書いています。

映画的な至福がここには確実にあります。

映画化希望の2つの作品

パドー

映画化してほしい小説が2つありました。

「納谷を焼く」と「午後の最後の芝生」。

ひとつは最高の形でフィルム化されました。

残りひとつは、かつて市川準が候補に挙げていたそうです。

パドー

ぜひ、誰かに現実化してほしいものです。

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✒︎ writer (書き手)

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本サイト「シンキング・パドー」の管理人、人事屋パドーです。
非常に感銘を受けた・印象鮮烈・これは敵わないという作品製品についてのコメントが大半となります。感覚や感情を可能な限り分析・説明的に文字に変換することを目指しています。
書くという行為それ自体が私にとっての「考える」であり、その過程において新たな「発見」があればいいなと毎度願っております。

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