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映画「CAROL」テレーズとキャロルの見つめ合うラスト

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最近恋愛感情にとんとご無沙汰であるのならば、この映画を見て、思い出してほしい

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気になっていた「CAROL」見ました。

パドー

圧巻の一言。

アマゾンプライムで見れます。

原作はパトリシア・ハイスミス。

ご存知、名作「太陽がいっぱい」の原作者です。

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オールドファンにおなじみのアラン・ドロンをスターダムにのし上げた一級品の作品。

本作「キャロル」は多くのコメントにあるように、秀逸な恋愛映画です。

久々に映画らしい映画をみた!といえる仕上がりです。

  • 弛緩しない時間のながれ
  • 女優の美貌と演技
  • 気配りのきいた美術
  • 予感に満ちたオープニングとエンディング
  • 抑えた音楽
  • 繊細なカメラワーク
  • 魅惑的な光と影による演出
パドー

ため息が出る。

以下、内容に言及しますのであらかじめご了承ください。

魅力的な二人の人物

本作は恋愛映画です。

恋愛のかたちとしては女性が女性を愛する姿をとっています。

舞台は50年代のニューヨーク。

男らしく、女らしくの規範が明確であった時代の物語となります。

主人公は恋する二人。

良家の出であり、裕福な暮らしをしている人妻のキャロル・エアード(ケイト・ブランシェット)

一方、写真家を夢見るデパート店員テレーズ・べリベット(ルーニー・マーラ)

これ以上はないというキャスティングの妙ですね。

パドー

ハマりにハマっています。

ケイト・ブランシェットは映画女優そのもの。

ザ・女優。

スクリーンにただ映っているだけで映画になってしまう。

映画とは女優を映すものだというどこかの映画監督のコトバを思い出させます。

圧倒的な存在感です。

一方、キュートで愛らしいルーニー・マーラ。

「ドラゴン・タトゥーの女」のリズベット役だったんですね。

パドー

全くの別人。

「CAROL」のなかでは、時おり、オードリー・ヘップバーンに二重写しになりました。

大きな写真、オードリー・ヘップバーン、静謐のモノトーン

チャーミングな若手の実力派です。

女が女を愛する映画

本作は女性が女性を愛することがテーマです。

とっつきにくさは全くありません。

極めてナチュラルに人が人を愛することの喜びや苦しみが抑えたタッチで描かれています。

作為的なすれ違いも演出されていません。

こうなってしまうだろうなあという自然の流れが淡々と映し出されているばかりなのです。

主人公たちに確かな演技力があるために、ここぞという場面では極力セリフが省略されています。

女優を信頼し切った演出が施されているのです。

パドー

とにもかくにも「間」が素晴らしい。

余白が非常に効果的なのです。

ベルトリッチを想起させます。

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監督と観客の「生理」がシンクロする瞬間にあなたは何度も立ち会うはずです。

パドー

あなたは思い出すことでしょう。

恋愛映画とは苦しいものだということを。

言い直しましょう。

恋愛は苦しいものであるということを。

人を愛するということは切ないものであるということを。

ラストシーンは永遠に

ラストシーンの主役は「眼差し」になります。

映画史がさんざん我々に提示してきた手垢の付いた主題です。

でも、ちっとも退屈でも凡庸でもありません。

ゆっくりとゆっくりとテレーズの視線はキャロルを探します。

気持ちは性急でありながらも、カメラワークは実に優雅に展開します。

最後の最後にキャロルの眼差しに宿るものの多さにあなたは圧倒されてしまうでしょう。

  • 慈悲
  • 歓喜
  • 安堵
  • 肉欲
  • 確信
パドー

とんでもない女優です。

結果として5回再生してみました。

余韻満載のいいラスト。

「映画らしい映画」を久しぶりに見たいという方はぜひご鑑賞ください。

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旅の途中で出会う一人の男が実は調査員であることが露見する場面は「バートン・フィンク」のテイストです。なんかあると思いながらも、そういうことかと思わせる演出が心憎い。

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✒︎ writer (書き手)

人事屋パドーのアバター 人事屋パドー レビューブロガー

本サイト「シンキング・パドー」の管理人、人事屋パドーです。
非常に感銘を受けた・印象鮮烈・これは敵わないという作品製品についてのコメントが大半となります。感覚や感情を可能な限り分析・説明的に文字に変換することを目指しています。
書くという行為それ自体が私にとっての「考える」であり、その過程において新たな「発見」があればいいなと毎度願っております。

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