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シンキング・パドー

CAROL(キャロル)、ラストシーンだけを観ても損のない映画

投稿日:2018-04-15 更新日:

最近恋愛感情にとんとご無沙汰であるのならば、この映画を見て、思い出してほしい

気になっていた「CAROL」見ました。

アマゾンプライムで見れます。

いい時代だ。

 

原作はパトリシア・ハイスミス。

ご存知、名作「太陽がいっぱい」の原作者です。

オールドファンにおなじみのアラン・ドロンをスターダムにのし上げた一級品です。

また最近は翻訳も多く出るようになりました。

気になるブック

 

本作は多くのコメントにあるように、秀逸な恋愛映画です。

おすすめ度:

と同時に久々に映画らしい映画をみた!といえます。

  • 弛緩しない時間のながれ
  • 女優の美貌と演技
  • 気配りのきいた美術
  • 予感に満ちたオープニングとエンディング
  • 抑えた音楽
  • 繊細なカメラワーク
  • 魅惑的な光と影による演出

ため息が出る。

以下、内容に言及しますのであらかじめご了承ください。

画像は「CAROL」の公式ツイッターから引用しております。

魅力的な二人

本作は恋愛映画です。

恋愛のかたちは女性が女性を愛する姿をとっています。

舞台は50年代のニューヨーク。

男らしく、女らしくの規範が明確であった時代の物語となります。

主人公は恋する二人。

良家の出であり、裕福な暮らしをしている人妻のキャロル・エアード(ケイト・ブランシェット)

一方、写真家を夢見るデパート店員テレーズ・べリベット(ルーニー・マーラ)

これ以上はないというキャスティングの妙ですね。

ハマりにハマっています。

ケイト・ブランシェットは映画女優そのもの。

スクリーンに映っているだけで映画になってしまう。

映画とは女優を写すものだというどこかの映画監督のコトバを思い出させます。

圧倒的な存在感。

そしてキュートで愛らしいルーニー・マーラ。

「ドラゴン・タトゥーの女」のリズベットだったんですね。

全くの別人。

「CAROL」のなかでは、時おり、オードリー・ヘップバーンに二重写しになりました。

チャーミングな若手実力派です。

女が女を愛する映画

本作は女性が女性を愛することがテーマとなっています。

が、とっつきにくさは全くありません。

極めてナチュラルに人が人を愛することの喜びや苦しみが抑えたタッチで描かれています。

作為的なすれ違いも演出されていません。

こうなってしまうだろうなあという自然の流れが淡々と映し出されているばかりです。

主人公たちに確かな演技力があるために、ここぞという場面では極力セリフが省略されています。

女優を信頼し切った演出が施されています。

とにかく、「間」が素晴らしい。

ベルトリッチを想起させます。

監督と観客の生理がシンクロする瞬間にあなたは何度も立ち会うはずです。

 

あなたは思い出したでしょうか。

恋愛映画とは苦しいものだということを。

言い直しましょう。

恋愛は苦しいものであるということを。

人を愛するということは切ないものであるということを。

ラストシーン

ラストシーンの主役は「眼差し」です。

映画史がさんざん我々に提示してきた手垢の付いた主題です。

けれども、ちっとも退屈でも凡庸でもありません。

ゆっくりとゆっくりとテレーズの視線はキャロルを探します。

気持ちは性急でありながら、カメラワークは実に優雅です。

最後の最後のキャロルの眼差しに宿るものの多さにあなたは圧倒されるはずです。

  • 慈悲
  • 歓喜
  • 安堵
  • 肉欲
  • 確信

とんでもない女優です。

5回再生してみました。

余韻満載のいいラスト。

「映画」を久しぶりに見たいという方はぜひご鑑賞ください。

至福のひととき、間違いなしです。

メモ

旅の途中で出会う一人の男が実は調査員であることが露見する場面は「バートン・フィンク」のテイストです。なんかあると思いながらも、そういうことかと思わせる演出が心憎い。

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