シャーリー・マクレーンのココ・シャネル!
138分にまとめられたココ・シャネルの意地。
2013年に買ったDVDをようやく見終わりました。
ああため息。
ココ・シャネルの人生
彼女の人生をどのように上手くまとめようが2時間では当然に収まりきりません。
ゆえに、この映画は実話をベースにしながら、恋愛を軸に物語を展開しています。
好意的でない評価もありますが、丁寧に作られていることは確かに感じられる良作です。
以下、内容に言及しますので、あらかじめご了承ください。
女のための服とは
女性のための真に創造的な服は女性にしか作れません。
そのような観点からココ・シャネルの活動を評価する声を頻繁に耳にします。
それは彼女の活動の意義を矮小化していることにつながると言わざるを得ません。
自由はいつも流行の先端
彼女は言い切ります。
女性が窮屈な手械足かせをはめられていた時代であったがゆえに、この言葉は女性の生き方やファッションに関して先進的であったのでしょう。
けれども、それは人生に対する処し方全般に敷衍できるはずです。
この場合の流行の先端とは、どのような時代にあっても常に当てはまるという意味に理解せねばなりません。
つまり、自由を求める意志はどのような時代にあっても正しいのだ、と。
わたしはわたし
わたしはわたしと譲らない意固地さや頑固さ、プライドの高さは彼女の原動力であり、かつ彼女の幸せの足を引っ張り続けました。
しかしながら、そこに反省や後悔や諦めは微塵も垣間見えません。
私が感謝できる人間は私だけだから「シャネル」って名を名乗れるのよ。
これは字義通りに捉えられないデリケートな言葉です。
なにもないところから腕一本で切り開いてきた矜持がスパークしています。
同時に、こう言い切らないと途端に谷底に突き落とされるような世界の住人であることをわれわれに教えてくれます。
シャーリー・マクレーンの真骨頂
再度の挑戦となるコレクションを大成功させ、ココはショーの最後に登場します。
この一連のシーンは圧巻です。
大看板の貫禄が匂い立ちます。
目と顎で的確な表現のできる女優の凄みを十二分に堪能できます。
機会があれば、ぜひご覧ください。