ネットでは「読まない」が当たり前なのだが
本書の最大の魅力は、書くこと(伝えること)の基本を常に思い知らせてくれるところにあります。
読ませるためのテクニックはふんだんに盛り込まれており、目からウロコの連続でしょう。
ネットでは「読まれないこと」が前提です。
それでもあなたは書かねばならない。
相応の覚悟と技術が不可欠ですよと本書は諭してくれるのです。
インターネットメディアにおいて読まれやすく、納得されるコピーライティングを書くにはどうしたらいいのか?
そのためのヒント集であると著者は本書を位置づけています。
コピーライティングとウェブライティングはその肝はほとんど同じであるということがあらためて理解できました。
基本の基本4か条とは
書くときは常に基本の基本を意識することが大事です。
基本の基本とは次の4つです。
- マイナス三重苦(知らない・興味ない・読みたくない)から考える
- 商品ではなく価値を語る
- 相手のことを思い浮かべる
- 最初のコトバに集中する
どこかで一度は耳にした警句ばかりです。
わかっていてもおいそれと実行できない金言ばかりです。
ゆえに基本の基本なのでしょう。
ブログで書くということを続けていくうちに、いろんなことを学習できました。
その中で一番新鮮な驚きだったのは、読者は記事を読みたくて読んでいるのではないという事実です。
さあ読もうという態度がいささかも成立していない読者(読者という定義でいいのか?)を相手に文章を構成しなければならないのです。
そのことをすんなりと理解できるまでに相応の時間がかかりました。
今も読者ファーストにてエントリーが成立しているとは口が裂けても言えません。
そのことをきちんと意識して書くのと書かないのでは大違いであることはわかってきました。
その分だけでも少しは成長したのかなと単純に思います。
基本と基礎は全く違います。基礎は卒業できても基本は卒業できません。常に基本に立ち返る。道を極めた達人はだれもがそう言います。なので凡人の私は基本を忘れないように忘れないように言い聞かせます。
アフェリエイターではないけれど
商品紹介をメインとするアフェリエイターではないので、本書の内容のすべてがブロガーにとって直接的に即時効果が期待できるというわけではありません。
けれども、どう振り向かせるのか、立ち止まらせるのかという一点においてはすべてが参考になります。
ものを書くという行為はかくも根源的で実際的で魅力的であるのかと。
悩ましいことばかりですが、少しでも上達しているのであればそれは喜ばしき成長です。