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「ゴダールと女たち」自己変革の背中を押すミューズたち

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チェンジを求め、迫られる世界的映画監督の軌跡
Jean-Luc Godard

映画の関連書籍をいくつも書き上げている評論家の四方田犬彦氏は言います。

本書はそうしたゴダールの足跡を、もっぱら彼のミューズであった女性たちの物語を通して描き出そうと試みたエッセイである。

新書であるために、本書は彼のその他の本格的な映画関連本と比較し、その内容・構成は軽い仕上がりとなっています。

パドー

ゴダールに関心がある方が、手軽に手にとって堪能できるクオリティーが実現されています。

ゴダールという名の映像作家

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1930年生まれのゴダールは現在、90歳を超えていますが、驚くなかれ今なお、現役の映画監督です。

1960年に発表された「勝手にしやがれ」は、従来の映画の文法(常識)を一新させてしまいました。

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ヌーヴェルヴァーグ(フランス映画の新しい波)の旗手として活躍し、1960年代を駆け抜けた代表作である「気狂いピエロ」はあまりにも有名な傑作です。

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1968年のパリ五月革命に代表される政治の季節においては、ジガ・ヴェルトフ集団という素人を加えた共同体名のもとに、匿名性を志向しアンダーグランド的に映画を撮り続けます。

共同体を解散後、1980年に商業映画の撮影を再開します。

それから、数十年にわたり、過去のフィルムのコラージュや、より大胆に音楽や詩や文学の引用を前面に出しながら、制作意欲はいささかも衰えず、現在も旺盛な表現活動を展開しています。

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偉大なる監督の4人のミューズ

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ゴダールの芸術的生涯を区切るこうした複数の時代は、つねにある特定の女神(ミューズ)によって特徴づけられているのだ。

ミューズである4人とは、

  • ジーン・セバーグ
  • アンナ・カリーナ
  • アンヌ・ヴィアゼムスキー
  • アンヌ=マリ・ミエヴィル

加えて、本書では、ジェーン・フォンダも取り上げられています。

ジーン・セバーグ

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ヌーヴェルヴァーグのアイドルとなるも、その後、黒人解放運動に関わり、破滅的な人生を歩みます。

アンナ・カリーナ

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ゴダールとの決別後、女優としてのキャリアを積み重ね、ヨーロッパにおいて確たる地位を築きました。

アンヌ・ヴィアゼムスキー

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女優業に早々に見切りをつけ、作家デビューを果たし、フランス文学界に確固たる地位を確立します。

アンヌ=マリ・ミエヴィル

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長年にわたり、ゴダールと生活を共にし、彼との共同作業・制作を続けながら、決してマスコミには姿を表しません。

ジェーン・フォンダ

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一度だけゴダールの作品に出演しています。二度アカデミー賞に輝き、反戦活動家としても有名です。

他者としての女たち

アメリカ人のジーン・セバーグは、

ゴダールが長編デビューするにあたり、彼の霊感の大いなる源泉でありました。

デンマーク人のアンナ・カリーナは、

60年代中期、短い結婚生活でしたが、公私ともに彼を支え、多くの傑作のヒロインを務めます。

亡命ロシア貴族の末裔であるアンヌ・ヴィアゼムスキーは、

二度目の結婚のパートナーであり、ジガ・ヴェルトフ時代の少なくない作品の主役を張りました。

スイス人のアンヌ=マリ・ミエヴィルは、

ゴダールの主たる関心事を、フェミニズムと家庭の政治へと向かわせ、70年代以降からこれまで、長きにわたり伴走します。

彼が、選ぶのは、いつもフランス人ではなく、「フランス」とは一線を画する女たちでした。

いうなればフランス社会における〈他者としての女〉に導かれ、彼女たちから霊感を与えられることで新しい世界へと進展していったのである。

自己変革を何よりも希求した芸術家の魂は、変革の契機をミューズに託してきたのです。

一人の女性が去ると次の女性が現れ、これまで彼が知らなかった世界の入り口を指し示す。ゴダールはそうして導かれるままに自己変革を重ね、現在にいたっているのだ。

「女たち」という切り口

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映画監督ゴダールについて何か軽い読み物を書いておきたいという気持ちを、わたしは長い間抱いていた。

著者の映画関連本の中では、本書は格段のページ数の少なさを誇っています。

アイドルとして奉るゴダール論、学術的堅苦しさを前面に押し出すゴダール論のどちらにも加担していません。

軽いタッチであるにも関わらず、極めて本質的なところをついていると言えるのです。

パドー

ゴダール理解の補助的資料として、ぜひ本書を手にとってみてはいかがでしょうか。

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✒︎ writer (書き手)

人事屋パドーのアバター 人事屋パドー レビューブロガー

本サイト「シンキング・パドー」の管理人、人事屋パドーです。
非常に感銘を受けた・印象鮮烈・これは敵わないという作品製品についてのコメントが大半となります。感覚や感情を可能な限り分析・説明的に文字に変換することを目指しています。
書くという行為それ自体が私にとっての「考える」であり、その過程において新たな「発見」があればいいなと毎度願っております。

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