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葉真中顕(はまなかあき)によって久しぶりにブラックユーモア小説を堪能する
タイトルに惹かれて読んだ「政治的に正しい警察小説」は大当たりでした。
パドー
上手いです。
パドー
読ませます。
短編小説好きで、ピリッとブラックなニヤリを欲しているのなら、
ドンピシャです。
阿刀田高以上筒井康隆未満のブラックユーモアゾーンです。
「政治的に正しい警察小説」の気になる中身
表題作を含め全6編からなります。
- 秘密の海
- 神を殺した男
- 推定冤罪
- リビング・ウィル
- カレーの女神様
- 政治的に正しい警察小説
題材は多岐にわたります。
- 「秘密の海」は児童虐待
- 「神を殺した男」は将棋界
- 「推定冤罪」は漫画家と才能
- 「リビング・ウィル」は尊厳死
- 「カレーの女神様」は味の記憶
- 「政治的に正しい警察小説」は作家と編集者
どんでん返しをもっともっと
どの作品も基本的にはどんでん返しを前提にして書かれています。
そこにカタルシスはありませんが、感嘆が口を開けて待っています。
小説の醍醐味、技工が随所に垣間見られます。
特に感心したのは、「カレーの女神様」です。
メルヘンチックがスプラッターホラーに急展開するところは、
ロシア作家ウラジーミル・ソローキンの「ロマン」を彷彿させます(ソローキンはやりすぎですが)。
表題作の「政治的に正しい警察小説」は筒井康隆そのものです。
ネジの外れたエスカレーションの有様はただちに彼の作風が頭に浮かびました。
ブラックとコメディが手を取り合って坂道を転げ落ちていきます。
今回、著者の作品をはじめて読みましたが、
これからあれこれ読んでみようと考えています。
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