軽々しいことは言えませんが、考え方次第で気持ちはかなり楽になるかもしれないと思うんです
人事部長なので、
仕事柄、うつ症状やうつ病の従業員と関わる機会が少なからずあります。
軽度の方もいればそうでない方も、繰り返す方もいればそうでない方もおられます。
今まで重度の方にお会いしたことがないので、経験が正直、限定的です。
なので、経験の範囲内とはなりますが、自分自身の考え方について以下にお話します。
うつ病やうつ症状の従業員に自分の考え方を聞いてもらい、実際、気持ちが軽くなったとの発言もありました。
以下、職場でうつ病やうつ状態と戦っている方とその同僚の方にご参考になれば幸いです。
人の体は精神と肉体から構成されています。この2つは別々のものではなく、密接に繋がっています。 病気になったり、体調不良になる場合、多くの人は、その人の弱い部分もしくはその時もっとも弱っている部分に症状が現れるものなのです。
だから、現在精神に不調がきているのなら、単にいま、肉体ではなく精神に症状が現れているだけなんです。
元々、精神が軟弱、脆弱だから俺は私はだめなんだと思い込む必要はありません。
ただただ今弱っているところに症状が現れているだけなんだから、治療すればいい、それだけです。
「心身体」という考え方
まずは、私達の身体に関する考え方からお話します。
わたしの身体観は、人は精神と肉体からできあがっているという平凡な考え方です。
もう少し詳しく言うと、精神と肉体は別物であるのですが、分かち難く結びついているという考えです。
取り立てて珍しい考え方ではないと思います。
身体というよりも、造語ですがここでは「心身体」という言葉を以下に使用したいと考えます。
このほうがピッタリくるので。
心身二元論に基づいていますが、ほとんど一体化している感じです。
- 精神と肉体はお互いがお互いに依拠しています。
- すなわち、影響を及ぼしあっているのです。
というのが心身体の定義です。
「健全な精神は健全な肉体に宿る」と同時に「健全な肉体は健全な精神の上に建つ」も成立するという立場をとっています。
- 「健全な精神は健全な肉体に宿る」
- 「健全な肉体は健全な精神の上に建つ」
体の異変は弱い部分にあらわれるものだ
人は生きている限り、調子のいいときもあれば悪いときもあります。
それが病気と特定される場合もあれば、体調不良と見なされるときもあります。
体の調子の悪さが肉体に出やすい人がいます。
風邪をよくひいたり、頭痛がはげしいなど
一方、体の調子の悪さが精神に出やすい人がいます。
気分がすぐに落ち込んだり、うつ状態が続くなど。
人それぞれですし、個人においてもその時時で肉体のときもあれば精神のときもあります。
現代日本社会においては、まだまだ精神の調子の悪さに対する偏った考え方が一定程度幅を利かしています。
悲しいかなそれが現実です。
特に職場ではそれが顕著であります。
仕事が絡むと人は豹変しがちです。
肉体の変調には寛容なのに、精神の変調には理解が不足しています。
人事部で仕事をする以前より、先に述べた「心身体」という身体観を持っていました。
なので、うつ症状やうつ病の方に対して接する時に、世間並みの偏見からは逃れられたと思っています。
私の身体観について彼ら(うつ病・うつ症状の従業員)は一定程度の理解と共感を示してくれました。
自分の考えがまったくの見当違いではないと勇気づけられました。
体の異変、私の場合
生まれつき喉が弱かったので、成人するまでは頻繁に扁桃腺をはらしていました。
年を取るにつれ、喉から耳に移行し、今は耳の痛みに悩まされます。
弱いところもしくは、その時に弱っているところに容赦なく「ダメージ」はきます。
私の場合は精神と肉体であれば、肉体のほうが相対的に弱いので、肉体に体の変調があらわれます。
逆に言うと、精神に体の変調があらわれる人は、相対的に肉体のほうが強いので精神にあらわれるのでしょう。
人の調子には波があって当然なんです
生きている限り、ずっと上り調子で体調がいいなんてことはありません。
いいときもあれば悪いときもあります。
ただ、そのいいときや悪いときが長いか短いかの違いはあるでしょう。
あなたが現在、精神の調子が悪いのならば、今自分は精神が弱っていて、ここを攻められているんだな、そのうち「風向き」「潮目」も変わるだろうという気持ちを持ってみてはいかがでしょうか。
精神的に俺は私は弱いからだめなんだと思い込む必要は一切ないはずです。
単に精神に不調が来たと思っていれば、ただそう思っていればいいだけのことです。
繰り返しますが、精神的に弱いから自分はだめなんだと思い込まないでください。
体の異変(不調)が精神に来ているだけなのです。
逆に言うと、肉体は相対的に強いので、「全敗」ではないのです。
いくらでも立て直すことはできるはずです。
エールにかえて
体の異変とは戦わなければなりません。
不健康(不調)なまま過ごしたい人はこの世にいません。
ですが、その戦いは必ずしも一人で戦う必要のない戦いであるはずです。
支えてくれるひとは、周りを見渡せば、必ずいると、そう思ってください。
逆に言うと、人は一人では戦えないんです(生きれないんです)。