ゴールデンカムイ、生きることと生き延びることは絶対に違う

投稿日:2016-11-18 更新日:

生きることをあざ笑う生き延びることの逞しさをあなたは想像できない

ゴールデンカムイ 17 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)

手に取る。

期待通りの面白さ。

クオリティーは相変わらず高位安定。

大したものです。

大金の向こう側

ゴールデンカムイ 16 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)

ここに登場する人物は、一部の者を除き、埋蔵金の在り処を知るために、囚人を追うハンターどもである。

埋蔵金をその手にした時に、それぞれに達成したい目的がある。

それが、宿願である場合もあれば、ただの欲得ずくという理由もある。

いずれにしても、命が掛かっている「狩猟」であることに間違いはない。

北の果て、明治時代

ゴールデンカムイ 15 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)

舞台設定が、明治時代の北海道であるために、現代のわれわれは、遠い世界の遠い土地での物語のような錯覚に陥ってしまう。

そのために、過激で、血なまぐさい殺戮も、ともすれば絵空事のような中和作用が働き、まがまがしさが緩和される。

これにより、われわれは、ある意味、抵抗感少なくその世界の中心に没入することができる。
本作が優れたエンターテイメントである所以であろう。

なぜ魅力的であるのか

ゴールデンカムイ 14 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)

この漫画に登場する人物は、だれもかれもが、際立つ個性をきらめかせ、非常に輝いている。
人物造形の巧みさも大いに寄与しているのだが、なによりもひとりひとりが、疑いもなく生を全うしているその姿に惹きつけられてしまう。

そう、生きること生き延びることが寸分の狂いもなく合致しているのだ。

生きることと生き延びること

ゴールデンカムイ 13 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)

生きることと生き延びることは、現代において、少なくとも日本国においては、完全にシンクロしているとは言い難い。

もちろん、社会的に、経済的に、そのような状況にある者が全くいないとは言い切れないわけだが、今は、ごく平均的かつ一般的な物言いにて話を進めることにします。

生きることと生き延びることは、ある時期まで、軌を一にしていたはずなのだが、それが徐々に乖離していき、今では想像ができないくらいに隔たってしまった。

目的しかない世界

ゴールデンカムイ 6 (ヤングジャンプコミックス)

しかしながら、この物語世界においては、言うまでもなく、生きることと生き延びることは、何らの疑いもなくイコールである。

登場人物たちは、生き延びることが目的を達成するための唯一の必要条件であり、生きることとは目的の達成にほかならない十分条件のただなかにいる。

つまり、目的しかない世界を生きている。
それは、ある意味、野生の世界であるのかもしれない。

が、主人公たちのいる世界はやはり動物の世界とは異なる。
彼らの生の駆動は本能であるが、ゴールデンカムイの世界においては、それは「意志」であるからだ。

意志と意志とが激突する世界には、もちろん臆病者のわたしなどは何があっても足を踏み入れたくはない。

が、そこは、それはそれは魅力的な世界なのである。

第9巻を読み終えた今、早くも10巻を待ち望むばかり。
渇いている。

とめどもなく。

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