実力がメキメキつく駿台文庫の宝物
本書は、関西の駿台英語科主任である桜井博之の著作となります。
本書は、標準〜上級レベルの国公立大学2次試験の読解総合問題を解く力の養成と完成をねらいとして編まれています。
演習問題は全部で20題となります。
語数は、200から800程度となり、500前後が中心です。
読解総合長文問題を解くためには、文脈上のつながりを見抜けるかが非常に重要となります。
単語や熟語、構文、語法の理解は欠かせないのですが、文の内容を真に理解するためには、文脈のつながりが追えないと話にならないのです。
特に、上位校であればあるほど、要するに何が書かれているのかを問われるはずです。
本書は、「言い換え」「対比」「因果関係」に焦点を当てて、あなたの「読解力」を想像以上に鍛え上げることでしょう。
本書の構成
本書は、このような「つながり」を見抜いて解く問題に焦点を合わせ、常に一定の着眼点で問題を解く練習ができるように配慮されています。
構成は、パート1とパート2に別れています。
はじめに演習問題が独立して20個並べられています。
1問、30分前後で解くように指示されています。
その次に、パート1として、読み方・解き方の基本が解説されています。
最後のパート2は、問題演習(全20題)の解説と全訳となります。
パート1をまずはじっくり読んで、読み方・解き方の要諦をしっかりと頭に叩き込みましょう。
「解法INDEX」が全部で15個あり、各々にきちんと目を通して一刻も早くご自身の血肉とするべきです。
パート2には、記号を使用し、文のつながりが図式されているので、視覚的にもすんなりと理解できる工夫に満ちています。
問題の内容
全20題のテーマは以下の通りとなります。
非常に役立つ文章がピックアップされています。
自然科学寄りのセレクションです。
- 遊びと芸術
- 道具と機械の違い
- 遺伝子工学の警戒すべき可能性
- 左脳と右脳の関係
- 詩人の言葉と子どもの言葉の類似点
- 科学という言葉の意味の混同
- 新たな発明の時代の芸術
- 頭という機械を動かす意識の信号
- 人間関係に対する情緒面の学習
- 哲学的仮定による科学理論の創造
- 一般人の科学理解に関心を抱く理由
- 科学的思考力の発達に不可欠な幼児期の活動
- 環境保護のために必要な教育の見直し
- 記憶の働き
- 触られる恐怖が安堵に変わる密集
- 数学による自然の隠れたパターンの解明
- 国際語になった英語
- 時の傷を癒す記憶と、時の傷を記録する写真撮影
- 発言の趣旨がわかることと文字通りの意味を知ることとの違い
- 外界にうまく対処するために必要な意味の付与
できれば夏休みに
現役生は難しいかもしれませんが、浪人生であるのならば、できれば夏休みの時期(7・8月)にこの一冊を仕上げましょう。
長文読解において、「たまたまあった」「なんとなくできた」と完全にオサラバできます。
長文問題を解く時、その文章の趣旨が確実にわかるようになると、世界が変わり、模試の順位も劇的に変わります。
歯応え十分の本書と格闘し、ぜひ得点力をアップさせましょう。