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「人と組織のマネジメントバイアス」学術研究の応用

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常識は誤った思い込みばかり

のべ100時間にも及ぶディスカッションのなかから得られた「常識のギャップ」を、「バイアス=誤った思い込み」という形でまとめたのが本書です。

実務界における「常識」と学術界における「常識」がぶつかり合い、非常に示唆に富む書籍が誕生しました。

もちろん、経験や勘のすべてが間違いとは言いません。ただ、組織論や行動科学を学ぶと、「我々が信じる常識とは異なる、学術界における常識がある」ことに気付きます。

パドー

実践的有用性と学問的厳密性がほどよくブレンドされた本書は、きっとあなたの目からうろこを落としてくれるはずです。

こんな人にオススメ
  • 人事部
  • 人と組織の関係を学びたい方
  • 経営層

本書の構成について

本書は全部で5章から構成されています。

  1. 採用に関するバイアス
  2. 育成に関するバイアス
  3. 評価に関するバイアス
  4. 成長に関するバイアス
  5. 文化に関するバイアス

組織社会化のプロセス

人は次のようなプロセスを経て組織に適応していきます。

組織に入れば、順応して、人の価値観が必ずしも苦も無く変わるわけではないのです。

STEP
職場で良好な人間関係を構築する
STEP
組織の規範を受け入れる
STEP
組織人としての態度を獲得する

社員がキャリア自律すると、離職率が高まる?!

キャリア自律心理

  • 職業的自己効力感(困ったことが起きても打開できると思う)
  • 主体的キャリア形成意欲(キャリアを充実させたいと思う)
  • 職業的自己概念の明確さ(やりたい仕事が明確である)

キャリア自律行動

  • キャリア開発行動(新しい知識を積極的に学ぶ)
  • 職場環境への適応行動(新しい環境にも早く馴染む)
  • 主体的仕事行動(自分のポリシーを持って仕事をする)

「遠心力=職離意思」よりも「求心力=職務満足や定着」のほうが高くなることが明らかになっている報告もあります。

社員のキャリア自律を高めても、一概には離職率は高まるとは言い切れないのです。

組織への愛着や一体感を高めれば、社員のパフォーマンスが上がるのか?!

従業員エンゲージメント

働く個人と会社の関係を指す。

ワークエンゲージメント

働く個人と仕事の関係を指す。

ワークエンゲージメントが高い状態とは次のような状態を言います。

  1. 熱意(仕事へのコミットメントが強く、意義を感じている。誇りややりがいをもって働き、挑戦心もある)
  2. 活力(イキイキと働き、仕事への努力を惜しむことなく、粘り強く取り組んでいる)
  3. 没頭(あっという間に時間が過ぎたと感じるほどの仕事に集中し、夢中になれる。仕事そのものが楽しく、意欲が続く)

ワークエンゲージメントの重要性を考慮すると、会社は、組織への愛着や一体感を高める施策よりも、まずは社員たちが働きやすい環境を整備し、仕事そのものを面白く感じられるようにするほうがいい。

強い組織文化を持てば、企業の業績は上がるのか?!

組織文化とは、会社が外部環境の変化に適応し、様々な人を受け入れる中で、いつの間にか社員全員が共有するようになった価値観と言えるでしょう。

学術研究的には、強い組織文化と業績の向上には弱い関係しか見られないようです。

企業業績の分析に時間軸を加えるのならば、文化が強いと業績は短期的には確かに向上するものの、長期的には低下していることが明らかになっています。

変わり続ける市場においては、強い組織文化にはデメリットが大きいのでしょう。

組織文化の強さよりも、「組織文化の中身が外部環境の変化に適応できているか」が重要なのかもしれません。

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✒︎ この記事を書いた人

人事屋パドーのアバター 人事屋パドー 人事系ブロガー

都内に勤務の労働者。元営業マンの人事部長です。当サイトにて、人事・仕事・就活に関して書いています。あなたの悩み事の解決のヒントになれば幸いです。

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