面接で一度は聞いたことがあるでしょう
「あなたにとっての理想の職場はどんな職場ですか?」教えてください
面接では必ず聞くことにしています。
おそらく、それほど答えにくい質問ではないはずです。
むしろ答えやすい部類に入るでしょう。
答えやすそうな質問は意外と日ごろから思って言うことがスンナリ顔を出しやすいものです。
なぜなら肯定的な答え方しかないので、そのバリエーションのなかで「個性」が透けて見えてしまうからです。
この場合の「個性」とは労働観(仕事観)になります。
面接官は当然にそこが知りたいのです。
答えを綺麗にまとめやすく、無難に乗り切れると思いがちな質問こそが、キラークエスチョンになります。
気を抜いて安易に答えると痛い目にあいます。
定型的な4つの回答
冒頭の質問の主な答えでよく聞くのは次の4つとなります。
一般的な回答例
- 風通しがよく、意見の言いやすい職場
- お互いが切磋琢磨し、向上することのできる職場
- 楽しく、笑顔が絶えない職場
- わからないことが聞きやすく、コミュニケーションがとりやすい職場
あなたならどう答えるでしょうか?
そして、お気づきになられたでしょうか。
理想とは、集団活動、団体行動をする場合に、過去にもしくは現在において、そのような「理想」が達成していない、しがたいために、そうあってほしいと望む集団のあり方(願い)であるはずです。
つまり、
属してきた集団内においてあなたが「何につまずいている(た)」を明らかにしてしまいます。
少なくとも一部の人事はそのような見方をします。
風通しがよく、意見の言いやすい職場を望んでいると答えれば、
- 意思疎通の難しさを痛感した経験がある
- 意思疎通が苦手だ
- 自分の意見は尊重して欲しい
お互いが切磋琢磨し、向上することのできる職場と答えれば、
- 自己成長することに重きを置いている
- 成長したいが思うようにいかない
- 他人に引っ張ってもらわないとがんばれない
楽しく、笑顔が絶えない職場と答えれば、
- 沈黙やシリアスが大嫌い
- 面白おかしく過ごしたい
- 楽しませてほしい
わからないことが聞きやすく、コミュニケーションがとりやすい職場と答えれば、
- わからないことはとにかく教えて欲しい
- わからないことがあれば、何度でも聞きたい
- とにかくそちらから働きかけて欲しい
深読みしすぎじゃないの?
言葉を表面どおりに理解しないのは、ひねくれた一面的な見方であります。
と同時に、
字義どおりに受け取りすぎることも、同様に危なっかしいものです。
返ってきた答えの裏側の意味を直ちに探し回るのは、もちろんやりすぎでしょう。
ネガティブな可能性があるかもしれないと一旦立ち止まり、それを起点とし掘り下げていき、日の当たる場所に引っ張り出すための質問を次から次に紡いでいく。
それが目指されるべき面接の本質ではないでしょうか。
面接官の浅からぬ狙いとは
面接官は発言の真意を読み取ることが職務です。
ゆえに、表層と深層をできれば同時に見定めたいと考えています。
あなたが何かを肯定すれば、肯定に付着するわずかな否定性も見逃しません。
その否定性を糸に、もしかするとあなた自身が気づいていないかもしれない「ものの受け止め方」や「考え方のクセ」に懸命にたどり着こうとしているのです。
人間の心は複雑です。
従って、
必ずしも全てが理解できるわけではありません。
そのようなことは誰にも不可能です。
けれども、発言を多方向から吟味しなければ、判断は進まないのです。
限られた時間の中で、面接官は発言の表と裏を行ったり来たりしています。
このようなポイントを理解して面接に臨めば、今より手応えが増すのではないでしょうか。