ノックの回数は何回が正しいのか教えて下さいとよく聞かれます
仕事柄、入室の際のノックの回数を聞かれることがあります。大抵の場合、2回か3回かどちらが正しいのでしょうかと二択で悩んでいるようです。
「どちらでもいいですよ、もっと気にするべきところたくさんあるでしょう」と、今までは答えていました。
これを機会にあらためて考えてみることにしました。
情報が錯綜していてどれが本当かわからない?
就活のビジネスマナーに関するサイトには、一般的には次のような説明がなされています。就活本にも似たり寄ったりの記載が大半です。
から3回程度軽くノックして入室する
まあ、こんなもんでしょうと思っていました。
なかには断定的に言い切るサイトもありました。
- ノックの回数が2回 トイレ
- ノックの回数が3回 親しい間柄、あるいはビジネスシーン
- ノックの回数が4回 改まった場(初対面・外交儀礼の場)
なので、
そのサイトでは就活では2回はマナー違反であると断定しています。
3回が正解ですと。こういう書き方をされると、当然に学生の方は迷ってしまいます。
運命は4回ノックする
「運命」という通り名で知られているベートーヴェンの「交響曲第5番」は「このように運命は扉をたたく」という作曲家本人のコメントから「運命」という呼び名で広く親しまれています。冒頭の「ダダダダーン」からノックの回数が4回であることがわかります。ゆえに運命はその回数から「初対面」であることが理解できるでしょう。
ノックの回数の根拠を調べてみてわかったこと
直感的には、回数はどちらでもいいと思うのですが、あらためて付き合いのある同業者たちにノックの回数について聞いてみました。
気にしたことないぜ
2,3回でしょ普通
限定的な聞き取りとはなりますが、
- 回数など気にしたことがない
- 一般的には2,3回
という想定内の結論が出ました。
これだけでは、心もとないので、
ネットでノックの回数の根拠を調べました。検索した結果、素晴らしい記事に出会いました。
ノックの回数について実に丹念に調査されていて、大変参考になる記事となります。
よくぞここまでというくらいに深く調べておられます。この記事を読む限り、「2回はOUT、3回はOK」とは確定的に言い切れないようです。
ここには、ノックの回数は2回はダメで3回が正式であるとの意見がなんの根拠もなくなされてきた経緯が実に検証的に書かれています。
外交儀礼としてのプロトコール
ウィキペディアには次のような解説がなされています。外交儀礼としてのプロトコル(プロトコール)とは、外交の場や国際的催しにおいて、その実務や交流の場における公式な規則や手順などを、ひとつの典拠として利用できるようにまとめた基本原則となるものです。ノックの回数の4回はプロトコルとして一般的には理解されています。しかしながら、4回と定められているわけではないようです。
就活におけるマナー違反
本当のマナー違反とは次の3つです。いずれも大罪。
- 無断欠席
- 遅刻
- 居眠り
ノックの回数は必ず3回にする。それが一番安全です
3回が正しいと自信満々に言い切っているサイトの中に「減点する」という嫌な言葉を発見!
そこには、ノックの回数が2回ならばマナー違反として面接評価において減点するとありました。
面接の評価を減点方式で行っていること自体がアリエマセンが、このように書かれている限りは現実に2回のノックをマナー違反とみなす企業が存在するようです。
納得いきませんが、先方のルールに従わないと馬鹿を見るのはこちらサイドですから、受け入れましょう。
減点主義とは
ミスや落ち度があれば満点から減算する評価方法の一種。その反対は加点主義となる。
このような企業が存在する限り、危なくて2回でも3回でもいいやというわけにはいきません。リスクが高すぎます。
従いまして、
ノックの回数は必ず3回にする
これが私の結論です。リスクをできるだけ減らすスタンスです。
「ノックの回数は2回はダメで3回が正しい」と言い切る記事の断定の根拠を確認するためにいろいろ調べた結果、先程の「ネットロアをめぐる冒険」のなかの素晴らしい記事にたどり着きました。この記事が評価に値するのは、当たり前のように様々なサイトで書かれている「3回が正しい」という根拠は「実はなにもないのだ」と明らかにしたところにあります。しかしながら、2回はマナー違反とみなす企業も少なくないために、就活生が取るべき現実的な対応としては「3回ノックするのが最良の対応である」と私は結論付けました。
結果として、2回はダメで3回が正しいと決めつけるサイトの意見とおなじになりました。しかしながら、結果は同じでも結論に至る考え方は全く異なります。