「仕掛学」人を動かすアイデアの作り方を職場に活かそう

「ついしたくなる」にはナチュラルな仕掛けがある

仕掛学―人を動かすアイデアのつくり方

おすすめ度
(4.0)

大阪大学大学院で「仕掛学」を研究している松村真宏氏は本書を次のように解説します。

本書は、著者がこれまで取組んできた仕掛けについての研究を平易にまとめたものであり、本書を読み進める上での事前知識は必要ない。

若手女子
「仕掛け」ってなんですか?
パドー
ここで言う仕掛けとは
  • 身近な問題から社会の大きな問題までを解決するもの。
  • 人の行動によって問題を解決しようとするものであり、仕掛けそのものによって問題を解決しようとするわけではない。
  • 行動を変えるきっかけになるもの。

たとえば、

「世界一深いゴミ箱」が有名です。

このゴミ箱にゴミを捨てると落下音が聞こえ始め、それが8秒ほど続いた後に衝突音が聞こえる。

ゴミを捨てた人はもう一度音を聞きたくなってまたゴミを捨てたくなるそうです。

その結果、

普通のゴミ箱より41kg多い72kgものごみが集まりました。

落下音と衝突音というシンプルな仕掛けを用いるだけでゴミを捨てたくなるという画期的なゴミ箱になる。

パドー
本書は、誰かにごく自然にアクションを起こしてもらいたいときのヒントがたくさん詰まっています。
こんな人にオススメ
  • 部下の成長に悩んでいる方
  • 上司をもっとうまく動かしたい方
  • より良い環境づくりを目指している人

おすすめ

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本書の構成について

本書は全部で3章から構成されています。

  1. 仕掛けの基本
  2. 仕掛けの仕組み
  3. 仕掛けの発想法
パドー
写真付きで豊富な事例が取り上げられているので、見ているだけで、なるほどなぁと感心してしまいます。

仕掛けの定義

本書における「仕掛け」の定義は、次の3つの要件をすべて満たしたものとしています。

3つの要件
  • 公平性
  • 誘因性
  • 目的の二重性

もう少し詳しく言うと、

3つの要件
  • 誰も不利益を被らない
  • 行動が誘われる
  • 仕掛ける側と仕掛けられる側の目的が異なる

公平性

人を欺くものは当然ながら「仕掛け」の定義から外れてしまいます。

誘因性

仕掛けによって、行動の選択肢が増えていることが重要です。

誰からも見向きもされない仕掛けは誘因性が足りないと言えます。

目的の二重性

仕掛けが対象としている本当の問題は明示されていないので、問題を意識することなく興味の赴くままについ行動してしまうのでしょう。

仕掛けの良いところ

仕掛けは、

行動の選択肢を増やします。

  • 新たに生まれた行動の選択肢の方が魅力的であれば、自ら進んで行動を変えることでしょう。
  • 興味を引かれないのであれば、これまで通りの行動を行います。

よって、

仕掛けの良いところは、

あくまで行動の選択肢を増やすだけで行動を強要しないところにある。

  • 何もなかったところに新たな行動の選択肢を加えただけなので、最初の期待から下がることはありません。
  • どの行動を選んだとしても強制されたのではなく自ら選んだ行動なので、だまされたと思って不快になることもありません。

つまり、

仕掛けは誰の期待を下げることもなく問題を解決することができる方法になる。

良い仕掛けとは

良い仕掛けとは、結果的に問題を解決する仕掛けです。

人になにかをお願いする場合、直接お願いしてもすべて成功するとは限りません。

その人の興味と行動を結び付けて結果的に問題を解決させるほうが、上手くいく場合が多いです。

たとえば、

  • 公共施設に設置された男子トイレの小便器をキレイに使いましょうと、張り紙をはるよりも、小便の飛散を最小になる場所に「的」のシールを貼ることで、きれいに使ってもらうという目的が自ずと達成されます。
  • 使用者はキレイに使おうと思っていなくとも「的」を狙うことによって、知らず知らずのうちに美化に貢献しているというわけです。

面倒だったり、相手の気が進まない場合には、特に効果的です。

行動と解決する問題の関係が一見すると無関係に見えるほど、良い仕掛けと言えます。

パドー
このような考え方は、あなたの職場でも大いに応用できるはずです。

頭ごなしに強制したり、言い負かしたりするのではなく、

相手が知らず知らずにこちらが期待する振る舞いをするための「からくり」は、これからますます必要なのではないでしょうか。

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