欲しい人材を惹きつけ、見立て、辞退させない具体策がここにある
リクルートを経て現在、LINEで活躍されている青田努氏は、地方の会社から有名企業、ベンチャーに至るまでの様々な採用の成功事例を考察したうえで、採用の原理原則を本書にまとめておられます。
採用活動に強い企業は自社なりに試行錯誤し、「勝つべくして勝っている」ということでした。本書では、こうした採用に強い企業の事例や、彼らが大切にしている原理原則を紹介します。
本書で紹介される採用活動事例の企業の主だったところは以下の通りです。
主な採用活動事例
- サイバーエージェント
- LINE
- メルカリ
- 伊藤忠商事
- トヨタ自動車
- アマゾンジャパン
- 楽天
- 味の素
- ビズリーチ
- ドワンゴ
「他社はどのような創意工夫をしているのか」「採用にはどのような原理原則があるのか」を知らずして人材獲得競争に臨んでいる採用担当者とそうでない担当者では、もちろん勝率が違ってきます。
勝ちたければ、手に取るべきです。
- 採用活動の勝率をあげたい人事
- 新しい採用活動を模索中の人事
- 納得のいく採用を増やしていきたい人事
本書の構成について
本書は、全部で4章から構成されています。
- 出会う(「いい人」に出会える会社は何をしているか)
- 見立てる(ミスマッチ採用を減らす選考設計のコツ)
- 結ばれる(内定辞退に至る「7つの失敗+1」)
- 採用担当者に必要な技術と魂
採用活動は、「出会う」「見立てる」「結ばれる」の3つのプロセスから構成されていると、著者は言います。
- 第一章の「出会う」では、いい人に出会うためのコツが余すことなく紹介されています。
- 第二章の「見立てる」では、自社にとって本当に最良の人材なのかを見立てる方法が紹介されています。
- 第三章の「結ばれる」では、他社ではなく自社を選んでもらうために知るべきこと・実施すべきことが紹介されています。
- 最終章の「採用担当者に必要な技術と魂」では、担当者にとって大切なマインドセットや考えなければならないあれこれが紹介されています。
出会いについて
現在、採用活動を行う場合には、一般的に4つの出会い方があります。
- メディア経由で出会う
- エージェント経由で出会う
- リファラル経由で出会う
- スカウト経由で出会う
このうち、リファラル採用とは、従業員からの紹介による採用を指し、ここ最近特に注目を浴びている採用方法となります。
1の「メディア経由での出会い」においてターゲット人材と出会うためには、次の「3つのA」に注意する必要があります。
3つのAとは
- Attention(届けるべき人に届ける施策)
- Attract(惹きつける施策)
- Apply(応募しやすくする施策)
採用の勝率をあげるために、3つのAの視点から改善の余地があるのかないのかを、あなたは日々考えるべきなのでしょう。
その際のポイントとして各々3つがあげられます。
届けるべき人に届ける施策では、
- チャネル(ターゲット人材の視界に入っているか)
- 振り向かせ(自分のことだと感じてもらえているか)
- 拡散しやすさ(人に伝えたくなる仕組みはあるか)
惹きつける施策では、
- ベネフィット(ターゲットに提供できる価値は明確か
- エビデンス(ベネフィットを証明する事実を示せているか)
- 差別化(他社にはない差別化要素があるか)
応募しやすくする施策では
- 不安払拭(不安を想定し、先回りして対応できているか)
- ウエルカム感(応募を歓迎するムードがあるか
- 負荷調整(応募のハードルを無駄に高くしていないか)
見立てについて
出会ったひとり一人が本当にあなたの会社にフィットするのかどうかを見立てるにも、外せないポイントがあります。
ミスマッチが起きないために、次の3点を必ず押さえておきましょう。
- 何を見立てるか(見立てる項目に注意)
- どう見立てるか(見立てる方法に注意)
- 誰が見立てるか(見立てる人に注意)
本書では、一貫して、人を見定めるや人を見抜く、人を見極めるという表現は採用されていません。
なぜなら、
本書では「見抜く」「見極める」という表現は使いません。採用担当者ができることは「見立てる」くらい、という謙虚な姿勢こそが大切となります。
心のなかにおごりがあると足元をすくわれます。
結ばれるについて
自社が内定者と相思相愛の関係になり、結ばれるためには、次のような内定辞退を引き起こす「7つの失敗+1」はぜひとも避けたいところです。
7つの失敗+1
- 仕掛けが遅い
- 情報が浅い
- 技術が拙い
- 内定が軽い
- スタンスが狡い
- 戦略が粗い
- チームが弱い
- フォローが弱い
もう少し詳しく言うと、
7つの失敗+1
- 口説き始めるタイミングが遅い
- 口説きに必要な情報を入手していない
- 採用担当者の技術が不足している
- オファーにありがたみが感じられない
- 自社の魅力に向き合えていない
- 場当たり的で戦略がない
- 役割分担ができていない
- 内定応諾のフォローが不足している
チェックリストを活用しよう
巻末特典として、採用に強い会社は何をしているかについてのチェックリストが載っています。
52のチェックリストを埋めていくことで、あなたの会社の特徴や問題点が浮き彫りになるはずです。
大いに活用して、採用に強い会社、採用で負けない人事パーソンをぜひ目指してください。