社会人の基本である時間厳守、本当に守られているのだろうか?
あなたも入社後、強く言われたはずです。信頼を得るには時間を守ることが何より大事だ、と。ただ会社の先輩や上司の言う、時間を守るとは「開始時間」のことであって、「終了時間」ではなかったはずです。
あなたが守るべきは実は「終了時間」のほうなのです。
働き方改革の一環としての総労働時間削減
国をあげて推進が叫ばれている働き方改革ですが、
その一環として総労働時間の削減が求められています。
年間の総労働時間を1,800から1,900時間の間に抑えることを目標に多くの企業が努力を重ねています。
その実現のために企業がまず手をつけるのが次の3点です。
- 残業をできる限り減らす
- 休日出勤は原則禁止
- 有給休暇の消化率をあげる
このなかで一番効果的なのは、残業をできるだけ減らすことでしょう。
そのためには、やるべきことを定時までに片付けなければなりません。
どうすればいいの?
単位時間当たりの生産性を上げるには?
残業を減らしましょうの掛け声に対する返答はだいたい次のようなものです。
- わかっているけど、仕事があるんだから仕方がない
- こっちだって好きで残業しているわけじゃない
- だったら人を増やしてよ
残業を減らす基本的な考え方はひとりひとりが効率よく仕事をしましょうということになります。
つまり、単位時間当たりの生産性を上げるために何をしなければならないか、です。
職場環境や仕事内容、業界によってそのアプローチは千差万別です。
盲点となっている「やり方」が実はあるのです。
仕事の終了時間を厳守するだけで劇的に変わります
仕事の終了時間を厳守する。
たったこれだけです。
はじまる時間に厳密性を求めるビジネスパーソンたちは、アポイントだろうと、会議だろうと、終了の時間にはどこまでも寛容でルーズです。
たとえば、
会議において結論が出るまでエンドレスは聞こえはいいですが、そもそも時間内に結論を出そうという意識があるのかないのかどっちなのという有様。
時間内に終わらせるという意識が希薄であるために、どこまでも延長していってしまいます。
時間内に終わらせる。
この意識を持つことが大事なのです。
でも、これでなにもかもすべて解決というわけにはいきません。
そんなに簡単な話ではありません。
では、なにが必要なのか?
必要なのは見積もり力なのです
- あなたは一日の始まりに今日一日のスケジュールをチェックするでしょうか?
- TODOリストを見直し、今日やるべきことを、アポイントを確認するでしょうか?
その際に一個一個の仕事の所要時間をきちんと見積もっている人は少数であるはずです。
アバウトでも構いません。
見積もっているでしょうか?
これができていないのであれば、残業せずに定時に帰ることなど到底できません。
終了時間を厳守するには、始めてから終わるまでにどれぐらいの時間を要するのかが、あらかじめ算定されていなければならないからです。
この仕事はどれぐらいで終わるのか、終わらせるべきものなのか、その見積もりができてはじめてスケジュールは立てられるはずです
定時に帰るということ
例えば、一個一個の仕事の所要時間を算定した結果、最終終了時間が定時を越えたとします。
さあ、どうしましょう?
残業しますか。
それでは労働時間の削減はできません。
このように考えてみてはいかがでしょうか。
- 優先順位を検討し、明日に延ばせるものは延ばす
- 一個一個の仕事の所要時間を短縮できないか再考する
この2つを地道に毎日実行するのです。
これにより、残業をしない働き方に一歩一歩近づき、やがて総労働時間が削減されていくはず。
そんなにうまくいくわけないと思いますか?
ブラックな職場であきらかにボリュームオーバーなんだから何をやっても無駄。
そんな声も聞こえてきます。
簡単でないことは確かです。
実行に移す際、組織も個人も心理的ハードルは相当高いことでしょう。
でも、なにもやらなければ、現状のままです。
変えたいのであれば、できることから始めるしかありません。
何もしないということは変えたくないと同義です。
大きな河の流れも最初はたった一滴からはじまります。
その一滴が仕事の終了時間を厳守するということなのです。
さあ、残業のない働き方に向かって、一歩を進めてみませんか。
単位時間あたりの生産性をあげるということは、個人の労働生産性が上昇するということです。簡単にいうと残業代が発生していないと仮定するならば、時給(時給換算報酬)があがるということなのです。