「能力を磨かないと!」危機感を持つあなたなら手に取ってみるべき
21世紀の変革リーダーの育成を目的とした「田坂塾」を主催する田坂広志氏の手による本書は、これからの時代、あなたにとって「能力を磨く」ということが、これまで以上に重要なテーマにならざるを得ないのだと断言します。
どうして?
その理由は3つあります。
磨かねばならない理由
- 能力の急速な陳腐化
- 学歴社会の崩壊
- AI時代の到来
現在の高度知識社会において、知的労働に従事するあなたには次の「5つの能力」が求められています。
- 基礎的能力
- 学歴的能力
- 職業的能力
- 対人的能力
- 組織的能力
もう少し詳しく言うと、
- 知的集中力と知的持続力
- 論理的思考力と知識の習得力
- 直感的判断力と知恵の体得力
- コミュニケーション力とホスピタリティ力
- マネジメント力とリーダーシップ力
これまでの時代は、1の「基礎的能力」と2の「学歴的能力」が身についてさえいれば、
「活躍する人材」になることはできなくとも、少なくとも「求められる人材」にはなることができました。
しかしながら、
AI時代においては、1の「基礎的能力」と2の「学歴的能力」の多くはAIによって代替えされてしまいます。
これらの能力だけでは、あなたは、いわゆる「AI失業」の最有力候補に陥るのです。
したがって、
これからの社会で活躍する(生き抜く)ためには、残りの3つの能力が必要です。
- 職業的能力
- 対人的能力
- 組織的能力
これらを身に着け、磨いていくことがあなたには不可欠となります。
この3つの力には各々2種類の要素が重要なのです。
職業的能力では
- 知恵の体得力
- 知恵の伝承力
対人的能力では
- 非言語的コミュニケーション力
- 体験的共感力
組織的能力
- 心のマネジメント力
- 成長のリーダーシップ力
AIがあなたの働き方や人生に与える影響や脅威について解説する書籍はたくさん出版されています。
けれども、
淘汰されない人材となり活躍できる人材についての具体的方向性を示すガイドブックは極めて少ないです。
どのような能力を、どのようにして磨いていくべきかについては、あまり語っていない。そこで、本書においては、これから、そのことを語ろう。
- 現状に危機感を抱いている方
- これから社会に出る若者
- 人生100年時代を真剣に見つめ直したい方
本書の構成について
本書は全部で7つのパートから構成されています。
- なぜ、いま、能力を磨かねばならないのか
- 「知的職業」の半分が失業する時代が来る
- 「学歴社会」は、すでに崩壊している
- AI時代に求められる「職業的能力」とは何か
- AI時代に求められる「対人的能力」とは何か
- AI時代に求められる「組織的能力」とは何か
- 「AI失業」という危機は、能力を磨く絶好機
働く期間が長期化することによって、若い時の蓄積(学歴)の賞味期限が相対的に短くなりました。働き始めてからパフォーマンスを持続的に発揮するためには、日々、新たな能力を身に着け、身に着けた能力を高度化する必要に追い立てられているはずです。そのような時代に、あなたは生きざるを(働かざるを)得ないのです。
開花させる
あらためて問います。なぜいまあなたは能力を磨かないといけないのでしょうか?
本当は、「生き残る」ためではない。「淘汰されない」ためではない。
答えは情報革命の本質に目を向ければ、自ずと見えてくるでしょう。
「情報革命」の本質は、「人間を不要にする革命」ではないからである。その本質は、「人間が、機械やコンピューターでは代替えできない、より高度な仕事に取り組めるようになる革命であり、人間の能力をさらに大きく開花させる革命」に他ならない。
あなたの能力を開花させる絶好の機会を見逃さないためです。
とはいうものの、
開花させる革命は、同時にあなたを失業へと追い込む危機をはらんでいます。
危機を単純にピンチととらえるならば、あなたの才能は、努力は開花しないでしょう。
著者は言います。
危機とは、危険と機会という2つの意味を含んでいる言葉であると。
・危険(予想・予測される悪い事態)
・機会(行動するのにうってつけの時期)
テクノロジーの発達が続く限り、あなたの「危機」はこれから先も決して去らないのかもしれません。
しかしながら、
それは、無限のチャンスが広がっていくという解釈も成立するはずです。
あなたの能力を大きく開花させる機会は決してなくなりはしないのです。