「できる人」と「認められる人」はどこがどう違うのだろうか
人事コンサルタントの西尾太氏は言います。
本書は、このあらゆる企業に共通する、普遍的な「評価基準」を具体的に示し、徹底的に詳しく解説する、これまでに例のない人事評価の教科書です。
出世したければ、会社が社員に何を求めているのかを的確に理解することが不可欠です。
その「基準」は確かに存在しますが、見える化を施している企業が実に少ないと著者は分析します。
評価基準を理解し、無駄な努力や嫉妬からオサラバしましょう。
あとはひたすら努力を続けるだけでいいはず。
- 人事担当者
- 管理職
- 評価を受けるすべてのビジネスパーソン
本書の構成について
本書は全部で6章から構成されています。
- なぜあの人は「評価されるのか」「されないのか」
- 「人が大きく成長する制度」
- 何が評価を決めるのか?
- 絶対的、評価基準「45のコンピテンシー」
- 評価ポイントは年齢によっても変化する
- これから待ち受ける「4つの選択肢」
全てを決めるのは影響力
評価される人とされない人の違いを著者は端的に次のように断言します。
「評価される人」=「影響力のある人」
私は、評価や給与というものは、その人の持っている「影響力」で決まると考えています。
影響力とは、社会や会社に与えた「価値の量」であると言えます。
明確な数値化を求めるのならば、それは売上と言い換えられるでしょう。
つまり、売上が大きくなればなるほど、影響力も大きくなるのです。
高い評価を得るためには、自分の影響力を高めていくことを目標にすれば間違いないのでしょう。
行動や考えをどれだけ見える化できるのか
影響力を与えていくためには、自らの考えや行動を、より具体的に周りに分かるように見える化する創意工夫が不可欠となります。
見える化する際の基本的なルールのなかで主なものとして次の7つがあげられます。
- 「わかってくれているはず・見てくれているはず」は、あり得ないと心得ること
- 良い点と悪い点、双方をきちんと理解し、認める
- 評価シートは、読み手の読みやすさを重視して程よい分量にまとめる
- 勉強をしている姿勢・成長意欲を具体的に説明する
- 資格取得をアピールする際はストーリーが大切
- キャリアビジョンについて言及する
- 業務改善・改革の提案をし、実行する
これから進むべき道
働き方やキャリアの積み方、仕事における社会的なポジションは、大きく次の4つに分類できます。
あなたは、将来どの方向に進むのかを、きちんとゴールをイメージして、日々努力を続けていくべきでしょう。
- オペレーター
- オペレーションマネージャー
- スペシャリスト
- コア
オペレーター
誰がやっても同じ結果が求められる仕事。
決められたことを指示通りに行う働き方です。
オペレーションマネージャー
組織の中でオペレーターを取りまとめる管理職。
チーフや課長クラスに該当します。
スペシャリスト
特定の領域で高い付加価値を提供することが要求される専門職。
医師や弁護士、クリエイターなど。
コア
部長や役員クラスなど、企業経営を行う幹部・幹部候補生。
時間に関係なく、価値創造ができればそれに応じて高い収入を得られます。
4つの選択肢には、各々個人にとってメリットデメリットが存在します。
言うまでもなく、それはあなたの価値観によって変わってくるものでしょう。
そこで考えてほしいのは、自分の人生で「何」を最も大事にするかということです。
人生の主役を張り続けるためには、人生の自由を選び取る力を日々、磨き続けるしかないのです。