組織や人材の課題に対する絶対解は存在しない
株式会社アクティブアンドカンパニー代表の大野順也氏は言います。
バブル経済の崩壊から25年。この四半世紀の中で試行錯誤を繰り返し、確立された組織・人事の仕組み、また人材マネジメントのあり方は、「組織・人事の起点」になると私は考える。
この「起点」を著者は、マニュアルであり、教科書であり、手引書であると例えます。
人事論、組織論には流行があります。
ティール組織であったり、アジャイル型人事制度であったり、あなたも聞いたことがあるでしょう。
しかしながら、
「起点」を押えない議論は、本質をつかみそこねる可能性が高く、豊かな結論にたどり着きにくいのです。
この起点となる「HRスタンダード」を知ることは、これまでのさまざまな組織・人事の施策や、人材マネジメントをうまく運用する上でも、また昨今のトレンドをうまく取り入れる上でも、重要であると考え、本書を執筆するに至った。
あるべき組織・人材マネジメントを考える上で、ぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。[/kj
- 経営層
- 管理職
- 人事関係者
本書の構成について
本書は全部で8つのパートから構成されています。
- 人材マネジメントの全体像/概念論
- 企業理念・ビジョン/組織風土・文化
- 人材マネジメント全体像/設計編
- 人材育成
- 人事が担う業務とあるべき人材像
- 戦略的給与計算アウトソーシングの活用
- インターネットによる採用マーケティング
- 人事情報を活用した人材マネジメント
人事の仕事
人事業務は主に次の6分野をカバーする必要があります。
仕事の領域
- 企画
- 採用
- 労務
- 給与
- 厚生
- 育成
もう少し詳しく言うと
- 組織設計や基幹人事制度を中心に組織における制度全般の企画を行う
- 新卒・中途採用などの外部人材調達業務全般を担い、人的資源確保を担う
- 社員の就業に関する業務全般を担い、労使調整・就業管理・異動手続などを行う
- 給与に関する業務全般を担い、給与(賞与)原資に基づく、配分及び給与手続きを行う
- 社員のニーズに合わせたサービスの設計・提供及び社員とその家族の福利の充実に資するサービスの設定・提供を行う
- あるべき人材像に向けた人材育成を担い、教育カリキュラムの選定や育成諸施策の運用を行う
簡単に言うと、
社員ひとりひとりの力を引き出すことが、人事の仕事となります。
良き人事担当者とは
次の7つのポイントに優れた人材を指します。
7つのポイント
- コミュニケーション能力
- 対人関係能力
- 洞察力・察知力
- 正確性・厳格性
- 理解力・把握力
- 企画力・クリエイティビティ
- 自社に対する愛社精神
良き人事担当者は、社員一人ひとりの能力や経験を考えながら、適材適所の配置を考察し、社員の将来のキャリアを一緒に考えながら、能力開発のために的確な助言を行う。社員にとってはキャリア形成の良き伴走者となるだろう。
社員に共に走っていると感じてもらうことは相当に難しい。
創造的であること
人事の仕事とは、会社が目指す姿、企業理念や戦略を実現するためにあり、企業経営に直結した仕事である。
ゆえに、
そのアプローチは創造的でなければならないし、創造的にならざるを得ません。
会社全体のパフォーマンスの最大化のために、それを下支えするのが人事の仕事となります。
これほどやりがいがあり、かつ困難な仕事はそうそうないのです。
本書を通して、組織・人事のあり方や、人事部の真の姿と意義が多くの人に伝わることで、会社が変わり、経済や社会も大きく変わっていくことと信じている。