ビジネスパーソンのための断捨離思考
整理整頓が苦手なため、断捨離の本でも読もうかと本書を手に取りました。数ある関連書のなかから本書を選んだのは、「ビジネスパーソンのための」という言葉がタイトルにあったからでした。
正直に言いますと、よく整理されたビジネス本のように要点が機能的に整理されている作りの本ではありません。
でも、ズシンと心に残るものがありました。
仕事上で断捨離を行う場合に大切なことは、「なんのための仕事か?」「誰のための価値か?」を明確にすることです。
この言葉に出会うために本書を読む意味があります。
いま聞いたから読む(買う)必要がないと思ったあなた、それは大きな間違いです。
この言葉のエッセンスを腹落ちするためには本文の残りの部分を読む必要があります。
読む者に影響を与えるビジネス書とは概して「要点」だけを拾っても何も残らないものだと思います。
著者の田崎さんは経営コンサルタントですが、現在はモンゴルの大学で教鞭をとっておられます。
断捨離について田崎氏は言います。
断捨離は、溢れかえった余分なモノを捨てることから始まります。その経験から、余計なものが入って来るのを断つ。最終的にはモノへの執着心から離れ、自在な空間を得る、という考え、手法です。
今回、本書を読むまで断捨離という考え方は単なる整理整頓術だと理解していました。
どうやらそうではなさそうです。断捨離に対する現在の解釈は次のようになります。
- 整理整頓 // 生活のシンプル化
- 断捨離 // 人生のシンプル化
生活のシンプル化も大事です。
けれでも人生がシンプルなほうが心が軽くなり人生が豊かになるに違いありません。
ご興味あれば、本家本元のやましたひでこさんの著作をお訪ねください。
最新刊はこちらのようです。不勉強なのでこちらは読んでいません。
誰のために・何のため
本書のなかで響いた言葉は次の2つ。
- 何のための仕事か?
- 誰のための価値か?
仕事で行き詰まるとき、あなたはどのような状態にあるでしょうか?
思い出したくないでしょうが、思い出してみてください。
要するにどれを優先すればいいんだよ!
誰のためにやってるのかワカラナイ
この作業意味があるのか?
「・・・のために」がわからなくなると、やる気は失せ、効率は急激に悪くなるものです。
とうとう行き詰まってしまった
行き詰まるとは、どこに向かえばいいのかわからない状態を指します。あまりにたくさんのことのために頭の中が満杯になって、どれから手を付けていいのかわからなくなるのです。
そんなときに、前方に一筋の光を見つけることができるならば、あなたは進むことができます。
- 何のための仕事
- 誰のための価値
これさえはっきりするならば、それ以外を断ち、捨て、離れるのです。
このふたつの目標を徹底的に考え抜いて「帝国」を築いた経営者がいます。
あなたもよく知っている、
- スティーブ・ジョブズ
- ジェフ・ベゾス
アップルとアマゾンの生みの親たちの「集中と選択」は常軌を逸していると言えます。
断捨離の考え方って、何でもかんでも捨ててしまいましょうと思われがちです。でも、実際はそんなことはありません。
本当に大事なものだけを身の回りに置きましょうという思想なのです。
ビジネスの場面も同様でしょう。
- 何のためにこの仕事をしているのか?
- 誰のための価値を生み出そうとしているのか?
個人、企業を問わず、このことさえグリップしていれば、壁にぶつかったり、迷走したりすることはおそらくないはずです。
さあ、あなたも明日から呪文のように唱えてください。
- 何のための仕事なのか!
- 誰にとっての価値なのか!
眼の前の霧が晴れ、道が開けるはずです。