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あらためてスタート時の熱量を振り返る
本書は日本経済新聞朝刊で2016年8月から17年3月までに連載した「働く力再興」の記事を一部加筆修正してまとめた。
2021年現在から本書を振り返るとき、たかだが数年程度しか経っていないにも関わらず、なにがどう変わったのか、なにがどうか変わらなかったのかが、非常に見通しよく理解できます。
盛り上がる「働き方改革」だが、そこに魂を入れる作業はようやく緒に就いたところだ。本書が国と企業を動かし、働く人が前向きに仕事に取り組むきっかけになることを望む。
感染症の拡大というアクシデントがあり、世界中が、働くこと、生きることについて否応なく正面から見直さなければならない時間を得ました。
パドー
あなたは、あなた自身のために働き方を日々改革しているでしょうか。
こんな人にオススメ
- 働くすべての人達
- 人事部
- 経営層
本書の構成について
本書は全部で5章から構成されています。
- 「働き方改革」に足りない視点
- 公正な評価と脱長時間労働
- 会社に縛られない、社員を縛らない
- 働くルール改革を検証する
- 提言・働き方改革
改革にあたってのテーマ
働き方改革で検討したテーマは大きくわけて次の9つになります。
- 同一労働同一賃金など非正規の待遇改善
- 賃上げと労働生産性の向上
- 長時間労働の是正
- 転職・再就職支援。格差を固定させない教育
- テレワーク、兼業・副業など柔軟な働き方
- 働き方に中立な社会保障制度、税制。女性・若者の活躍
- 高齢者の就業促進
- 病気の治療、子育て・介護と仕事の両立
- 外国人受け入れの問題
企業が取り組むべき優先課題の関心度
上位の5位は次の通りです。
- 長時間労働の是正
- 女性の活用
- 子育てや介護などとの仕事の両立の支援
- 仕事の進め方の見直し
- 時間や場所を問わない柔軟な働き方の実現
関心度が低い下位の5位は以下の通りです。
- 賃金引上げ
- 顧客との関係見直し
- 副業など柔軟な働き方の実現
- 非正規雇用の処遇改善
- 終身雇用の見直し
働き方改革への提言
国や企業、個人が改革の実現に向けてやるべきこと、やらなければならないことについて、次のように本書では提言しています。
自由な働き、公正に評価
- 企業は曖昧な潜在能力で評価せず、求める職務内容を明確にして公平に評価する
- IT活用で職住近接の環境を整えるなど、年齢差や性差に関係なく働く人を支える
年功・長時間の悪弊を断て
- 働き手の評価は成果に基づいて決め、年功序列や長時間労働の根を断つ
- 働き手は自らの能力を高める研鑽に励み、プロ意識を持つ
ひとつの会社に縛られない
- 転職・再就職の市場を拡充し、労使のニーズにあった職業訓練を提供する
- 長期雇用の良さを保ちつつ、退出ルール明確化などで失業への不安を減らす
成長力強化へ人材集中
- 企業は成長分野に資源を集中し、働き手の能力開発にも取り組む
- 一人当たりの労働生産性を、5年で世界トップクラスに引き上げる
国は働くルール再設計を
- 就労意欲をそがない税制、社会保障制度を再構築する
- 長時間労働など違法性のある企業の監視を徹底する
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