科学的データにもとづく現場ですぐに使える貴重なノウハウ満載!
高橋豊氏は言います。
本書では、パーソル総合研究所の調査結果に基づく客観的な現状分析を横糸に、私がこれまで培ってきた現場でのコンサルティングや管理職へのコーチング経験を縦糸にして、今、テレワークの現場で噴出しているマネジメントに関する課題を解決するための考え方やノウハウを執筆いたしました。
これからの企業には、なによりも、個人がやりたいことを実現できる環境を提供し続けることが不可欠であるのでしょう。
そのような環境を整えることで生産性は上昇するはずです。
従来のコミュニケーションやマネジメントスタイルの変革をあなたも求められているに違いありません。
- 経営層
- マネージャークラス
- 人事部
本書の構成について
本書は全部で10のパートから構成されています。
- いま、テレワーク現場で何が起きているのか?
- テレワーク時代のマネジメントを成功させる3つのポイント
- 上司の役割
- チームビルディング
- ICTを使ったコミュニケーション
- 仕事のアサインと業務管理
- タイムマネジメントと労務管理
- 新人教育
- 目標管理と人事評価
- テレワークがジョブ型雇用を加速させる
テレワークできない・しないその理由とは?
「テレワークで行える業務ではない」の理由についても、そのように思いこんでいるだけの可能性もありますので、本当にできないのか、抜本的に見直してみる必要もあると思います。
「見えない」なかで仕事をするときに最も大事なこととは
テレワークに適した新しいマネジメントのスタイルを生み出すためには、次の3つのことがポイントとなります。
- 心理的安全性の確保
- 見える化・共有化
- ICTを使ったコミュニケーションスタイルの確立
「いかに心理的安全性を構築していくか」ということは、「いかに良質なコミュニケーションをとっていくか」ということに直結します。
心理的安全性の確保
メンバーひとりひとりが、安心して自分らしさを発揮しながらチームに参加できていることが大事です。
お互いに信頼、尊敬しあい、安心して弱い部分もさらけ出せるレベルを目指しましょう。
心理的安全性の高いチームと単なる仲良しグループは似て非なるものです。
重要なのは、批判的な意見であっても、上下関係や部署間の壁を越えて安心して口に出すことができるということ。
見える化・共有化
経営理念から、個別の業務の目的・期限、評価の基準、社内の人材スキル、日々のスケジュールに至るまで、すべてを見える化・共有化することを目指しましょう。
上司は「何のためにこの作業をするのか、いつまでに成果物がほしいのか、どの程度の水準を求めているのか」といったことを、これまで以上にきっちり詰め、記録して見える化し、共有することが大切になります。
ICTを使ったコミュニケーションスタイルの確立
今後、コミュニケーションの円滑化には、ICTツールを駆使することが避けられません。
ICTツールを完備し、すべてのメンバーが使いこなせるようになることは、心理的安全性の確保にも直結します。
課長・部長の役割はどう変わるのか?
テレワーク下では管理職の「役割」分担が大事になります。
つまり、課長と部長が同じ仕事をしていると、あまりにも組織的効率が悪くなるのです。
課長の役割とは、
一番大きな役割は「成果をきちんと出していくこと」です。
部長の役割とは、
現場の成果を課長に任せて、ひとりひとりの労務環境、メンタルヘルス、社員同士の関係性といったことを把握していかなければなりません。
課長とおなじことをしていないか、自ら省みてみましょう。