何がアウトがわからないのなら、まずは本書を手に取りましょう
少子化ジャーナリストの白河桃子氏は言います。
ハラスメントは「人権問題」でもあり、職場の生産性、リスクマネジメント、人材獲得に関わる重大問題です。
[このような認識が基礎的な最低限の認識として、あなたの職場には共有されているでしょうか。
この本は主に「職場領域のハラスメント」について、悩めるビジネスパーソンのための本です。
ハラスメントとは、個人問題であると同時に組織の問題です。
会社にとっても個人にとっても「ハラスメント意識のアップデート」は「社員を守る」上でも、リスクマネジメント上でも欠かせないものになっています。
未然にハラスメントを防止する組織的対応が必要なのです。
この本をきっかけに、ハラスメントの認識や対応をアップデートして、悪しき労働文化とはさよならしていきましょう。
- ハラスメントが気になる上司
- ハラスメントに悩む部下
- ハラスメントに対して組織的対応を検討している方
本書の構成について
本書は全部で6章から構成されています。
- ハラスメントを気にする男たち
- 女性から見たハラスメント
- 財務省セクハラ事件とは何だったのか?
- 企業の懲戒はどう決まるのか?
- #MeToo以降のハラスメント対策最新事情
- 同質性のリスクは組織のリスク
組織における同質性のリスク
日本の職場環境は、海外基準に照らし合わせると、異常だというわけです。
なぜなら、
組織構成員のほとんどが男性・正社員・日本人だからです。
そこにダイバーシティの余地はほとんど確保されていません。
同質性の高さは、ある意味、コミュニケーションの迅速性や活動性を促進させますが、弊害も多いです。
不祥事の温床となりやすく、不正を隠す体質が強化されかねません。
狭い同質な世界は、世間との乖離が出やすく、「常識」のギャップが発生しがちです。
「本音」と「建前」を使い分けているつもりでも、いつのまにか「本音」の「これぐらい許されるよね」が、「許されないこと」になっているのです。
少しわかりにくいでしょうか。
本音としての「これぐらい許されるよね」が建前上の「許されないこと」という皮をかぶっているので、「許されないこと」は常に破られているという陰湿さが常態化しているのです。
ここには組織的牽制は機能していません。
これを防ぐには、
建前通りに行動せざるを得ない明確なルールやシステムを作ってしまうことが有効です。
組織の中なら許される本音は同質性の高い組織ほど、広範に強固にはびこります。
ハラスメントは今、経営陣にとって「リスクマネジメント」であるだけでなく「生産性」「人材獲得競争力」に関わる重要事項です。
同質性のリスクに目を向け、正面から取り組むことが企業発展のキーとなる時代にあなたの組織とあなたは生きています。
ハラスメント問題は、そのリスクが最も表に現れやすいもののひとつに違いありません。