もはや、理系だから採用する時代は終りました
著者のひとりである三井住友海上火災保険デジタル戦略部の木田浩理氏は言います。
では本書に何が書いてあるかというと、データ分析の担当者に任命された、もしくはデータ分析チームを率いることになったら「どのように考えればいいのか」という方法論です。
その方法論とは、具体的には、
- データ分析を進める上で身に着けるべき「思考法のフレームワーク」
- それを応用した独自の「データ人材育成理論」
となります。
今振り返れば、たくさんの失敗もありました。読者の皆さんも、これから壁にぶつかると思いますが、この本を読んでおけば、これからどんな壁が待ち受けているのか、その壁をどうすれば乗り越えられるのかが分かります。
- データ分析の要諦を学びたい方
- データサイエンティストを志している方
- データ分析チームを率いている方
本書の構成について
本書は全部で4つのパートから構成されています。
- はじめに
- 経験値を上げる
- 実践5Dフレームワーク
- 5Dフレームワークによるデータ分析人材育成法
5Dフレームワーク
経験に基づき、こうすれば失敗しないという方法論を体系化したものが5Dフレームワークとなります。
5DのDとは、次の5つのステップの頭文字からとられています。
- Demand(要求を聞く)
- Design(全体の絵を描く)
- Data(データを集める)
- Develop(分析ツールを使う)
- Deploy(展開する)
ステップを料理に例えてみましょう。
要求を聞く
料理を考える
食材を用意する
調理する
料理を提供する
5Dフレームワークの5つのフェーズは、どれか1つでも欠落すると分析プロジェクトが失敗に終わる可能性が高くなります。
Demandステップの手順
Designステップにおける納品物の定義
分析結果の納品物は次のように4つに大別できます。
- 集計
- レポーティング(可視化)
- レポーティング(仮説検証)
- モデリング(予測)
Dataステップの手順
Developステップの手順
Deployステップにおけるデータ分析のアウトプットの形
大きく分けて次の3つとなります。
- 1回限り型
- 定型観察型
- 推薦システム型
1回限り型
毎回見るべき結果が変わる。
定型観察型
決められた指標、フォーマットを随時確認して意思決定を変える。
推薦システム型
予測モデルなどで得られる推定値を基にして意思決定を判断する。
5Dフレームワークを人材育成に応用する
5Dフレームワークという方法論は、データ分析人材の育成における指標をあぶりだします。
次のようなポイントから、ステップを踏んで実践的な育成を行っていきましょう。
- Demand
- Design
- Data
- Develop
- Deploy
- 分析組織の目的を定義する
- 分析組織をデザインする
- データを扱う方法を教育する
- データ分析レベルを向上させる
- 分析結果が社内で使われるようにする
すご腕分析者が1人とビジネストランスレーター100人、どちらが会社を変えられるかと言えば、明らかに後者です。