クスッと笑えて役立つ資料作成術
豊間根青地氏は言います。
パワポによるスライド作成は、私のような特殊な人間だけでなく、誰にとっても楽しいことになり得ると私は考えています。
パワポ芸人を自称する著者のパワポ作成のためのノウハウが本書にはぎっしり詰まっています。
本書を読むことで、皆さんにとってパワポによるスライド作成が、ひいては自分の頭の中をビジュアライズして誰かに伝えるという行為が、今よりもずっと「楽しい」ものになれば幸いです。
- 資料作成で悩んでいる方
- 言いたいことを簡潔に表現したい方
- 仕事力を高めたい方
本書の構成について
本書は全部で6章から構成されています。
- なぜスライドを作るのか
- メッセージを作る
- デザインに落とす
- プレゼンする
- サボる
- ケーススタディ
魔法の言葉「要するに」
「要するに」という言葉は、メッセージの大事な部分を抽出し、読み手に効果的に訴えます。
優れたプレゼンには、次の3階層の「要するに」があると著者は主張します。
- プレゼン全体の「要するに」
- 章ごとの「要するに」
- スライドごとの「要するに」
削る
ついつい色々な装飾を施したくなりますが、逆にどれだけ削れるのかに比例して読み手の理解度は高まっていくことでしょう。
次の3つの「削る」をとにかく意識してください。
- 図形を「削る」(基本的な図形で十分に語れます)
- 線を「削る」(線もノイズになります。とことん削る)
- 文字を「削る」(脳に言葉の錨を下ろす)
プレゼンの極意とは
次の2つになります。
- 物語を語る
- 積み木のお城
物語を語る
無味乾燥な情報の羅列はなかなか覚えられないものです。
逆に、意味の繋がりをもった「物語」は簡単に覚えることができるのです。
印象的で頭に残るプレゼンをしたければ、円周率のようなつまらない情報の羅列ではなく、桃太郎のような「物語」を語るべし、ということが言えるでしょう。
積み木のお城
相手の頭から吹き出しが出て、その中に「積み木のお城」が積み上がっていくイメージを持つことが「良い説明」をするときにあなたが持たなければならないイメージであると著者は強調します。
自分の話を組み立てるだけなら、主役は話す人になってしまいます。
頭の中にイメージをうまく組みたててもらうことによって、主役ははじめて聞き手になることでしょう。
プラモデルのような複雑なつくりものではなく、こどもでも扱えるようなおもちゃの積み木を積むくらい簡単な構造物を、聴き手の頭の中で作ってもらうつもりで説明を組み立てるとよいでしょう。