人事の未来に向け、実践できるアプローチを描く決定版
このように本書では、人事のトレンドから実際の人事変革アプローチまでを丁寧に要素分解し、体系化することに力を注いだ。
人事の未来とそこに向かう実践的なアプローチが総合的に説明されています。
本書は、「最強組織をつくる人事変革の教科書」と銘打ち、人事変革ノウハウについてまとめたものである。
- 人事担当者
- 人事担当役員
- 自らのキャリアを見直したい方
本書の構成について
本書は全部で5章から構成されています。
- 人事が影響を与える「3つの領域」
- 人事の実態と陥りがちな「4つの症状」
- これからの世界で勝つ「最強の人事」とは
- 最強の人事に変革するための「6つのステップ」
- 最強人事を担う「人事プロフェッショナル」
人事が影響を与える「3つの領域」
次の3つとなります。
- 従業員一人ひとり
- 経営
- 社会
しかしながら、これからの世界を良くしていく1つの原動力としての役割が人事にあることは紛れもない事実なのである。
人事における4つの機能不全とは
- 独りよがり人事
- 成り行き構築人事
- 管理者人事
- アナログ人事
独りよがり人事
人事が企画・実行する諸施策が、事業や従業員のニーズを満たしていない。
成り行き構築人事
事業の拡大に応じて人事機能や組織を成り行きで設計・設置しているため、ガバナンスの不在や組織効率の低下等が発生している。
管理者人事
従業員を画一的・公平に管理することを重視し、多様な志向性や働き方などのニーズに向き合わず、モチベーション低下などを招いている。
アナログ人事
最新のトレンドやテクノロジーなどを把握・活用しておらず、これまでの経験や勘に頼った取り組みが多く行われている。
最強の人事をつくる4つの観点
- マインドセット
- フォーカス
- レンズ
- イネーブラー
マインドセット
人事をつくる上で前提となる考え方であり、人事に戦略・組織・サービス・制度などのあらゆる検討に反映すべき要素となります。
フォーカス
人事としてだれにどのように価値を提供すべきなのかという観点であり、人事の価値発揮の在り方と言い換えてもよいものです。
レンズ
マインドセットやフォーカスで述べたような戦略や機能を構想し描写したとしても、それを実際に顧客に届けるための媒介が必要となります。
その媒介とは「人事としてのサービス提供体制」つまり人事組織とオペレーションモデルであり、これを「レンズ」と呼びます。
イネーブラー
人事としてデジタル技術やシステム・テクノロジーをどのように活用していくかという観点であり、人事としてのインフラ・基盤と言い換えてもいいものです。
今後人事プロフェッショナルに求められるマインドとは
次の4つとなります。
- アジャイル志向
- バリュー意識
- やり抜く意識
- クリティカルシンキング
アジャイル志向
大胆な仮説を立てて、失敗しても実行してフィードバックを受けて改善しようとしたり、歓迎するマインドを指します。
バリュー意識
自らの提供価値を言語化し、また周囲やカスタマーからのフィードバックを受けて改善しようとするマインドを指します。
やり抜く意識
思考の地道なプロセスを丁寧に歩み、最終的なアウトプットを出しきるまでやり通すマインドを指します。
クリティカルシンキング
主体的な課題設定と論理的思考の両方をあわせ持った思考を指します。
これからの世界に大きな影響を与える人事は私たちの一歩から変えられる。