会社の実力は、社員の能力と職場の基礎代謝の掛け算で決まる!
沖縄県を中心に人材育成活動を展開している著者の白井旬氏は、職場の問題解決は「職場の基礎代謝」に注目することが特に大事であると言います。
職場の基礎代謝とは?
本書では、このような本来のパフォーマンスが発揮できないスタッフや孤軍奮闘するリーダーが増えている状態を「職場の基礎代謝」が低下していると定義しています。
生活習慣病の予防のために偶然手に取った本からヒントを得て、組織問題を考える場合に「基礎代謝」の概念を応用されたようです。
基礎代謝が低くなると、
身体(人)は生活習慣病のおそれあり
企業(法人)は大企業病のおそれあり
この「基礎代謝」を企業に当てはめて考えてみると、「基礎代謝が高い」企業は、良い状態が連動して続き、「基礎代謝が低い」企業は、好ましくないことが連鎖して起こる。こういうことが見事に当てはまるのです。
あなたの職場も基礎代謝の観点から見直してみてはいかがでしょうか?
- 悩める上司
- 悩める経営者
- 悩める人事
本書の構成について
本書は全部で6章から構成されています。
- 「基礎代謝」が低い日本の職場
- 社員の能力×職場の基礎代謝=会社の実力(組織の生産性)
- 「不機嫌」を解消する第一歩はアンガーマネジメント
- 「不」のタイプ別 今日からできる27の解消法
- 「職場の基礎代謝」を上げる次なるステップ
- 「職場の基礎代謝」サクセス・ストーリー(各社の取組みと効果)
会社の実力を表す式とは
著者は「会社の実力」を次のような簡単な公式で定義づけしています。
社員の能力 × 職場の基礎代謝 = 会社の実力(組織の生産性)
したがって、
たとえ個人の能力が高くても、それを活かしきるぐらいに職場の基礎代謝が高まっていなければ、パフォーマンスは望むべくもないのです。
職場の基礎代謝が下がる原因とは
体の不調と比較してみるとよくわかると思います。
人の場合(睡眠不足、運動不足、不規則な生活、不摂生が祟る、不安な出来事 )
企業の場合(不機嫌な上司、不明瞭な指示、同僚への不信、不公平な評価、将来への不安 )
職場における「不」の関係性
職場における「不」は次のように分類されます。
- 快適・便利系統
- 安心・安全系統
- 信用・信頼系統
快適・便利系統
組織運営や人事制度、働きやすさ・働きがいに関係します
- 不案内
- 不透明
- 不自由
やがて不快や不便の感情が広がっていくでしょう。
安心・安全系統
職場の人間関係、情報の質と量、能力とのバランスに関係します
- 不十分
- 不理解
- 不自然
やがて不足や不安の念にかられてくるでしょう。
信用・信頼系統
上司と部下との関係、方向性と判断基準などに関係します
- 不明瞭
- 不一致
- 不信任
やがて不信や不遇の感情にさいなまれていくでしょう。
あらためて、職場はいかに「不」が蔓延する可能性が高い環境にあるかが理解できたかと思います。
たとえ能力を持った人々の集団であっても、「不」があちこちに見られるような職場であるならば、期待するパフォーマンスが発揮されることは望み薄です。
部下や後輩の能力を嘆く前に、職場の基礎代謝の低下を疑ってみてはいかがでしょうか。
「職場の基礎代謝」が高まったことにより、落ちついた気持ちで指示や対応ができるようになると、そこから生まれた余裕によって、少しづつ職場が明るくなってきます。
そうなると、
- 新規事業が早期に軌道に乗る
- 疎遠になっていたお客様が戻ってくる
- 多様なメンバーが集まってくる
などの好循環がきっと始まることでしょう。