より柔軟で、より型破りな育成や教育を職場で展開していく
編著者の三坂健氏は言います。
いつしか話題と関心は「オンラインでやるしかない」から、「オンラインをどう活用していくか」に変化していきました。
コロナ禍の影響により、多くの企業でオンライン化が余儀なくされましたが、対面式とは異なるスタイルが内容(コンテンツ)そのものの変更を迫り、期せずして研修の新しい可能性が見出されてきました。
オンライン化への変化によって、次のような3つの大きな変化が実際に起こっています。
- 目的を達成するための効果的なアプローチを増やすことができた
- 日常の業務や組織における育成の位置付けを再定義できた
- 一人ひとりが学びをより柔軟に捉えることができるようになった
- 人材育成担当者
- 人事部
- 現場のマネジャー
本書の構成について
本書は全部で8つのパートから構成されています。
- オンライン研修への対応で組織の未来が変わる
- そもそもオンライン研修ってどんなもの?
- オンライン研修の魅力と課題
- オンライン研修のノウハウ・ドゥハウ(講師編)
- オンライン研修のノウハウ・ドゥハウ(受講者・事務局編)
- ケースから学ぶ実践のコツ
- こんなとき、どうする?Q&A
- オンライン研修の未来
オンラインに向く研修・向かない研修
オンライン研修の意外な効果
意外な効果として、アウトプット志向が高まることを本書では指摘しています。
その要因として次の4つが挙げられます。
- 空気感
- 個人への注目度
- 遮断性
- グループワーク
空気感
人間関係や雰囲気による影響が弱く、フラットな関係性を築きやすいです。
よって、過度な忖度をすることなく、自分の意見を発信しやすくなります。
個人への注目度
存在感の大きい個人に注目度が偏らずに、参加者全員がより均等に注目されます。
したがって、常に見られている意識があるので、緊張感を保ちやすくなります。
遮断性
クローズな環境であり、周囲の情報を遮断できます。
よって、変数が少なく、研修コンテンツに集中できるのでしょう。
グループワーク
講師がすべてのグループワークの状況を把握できないために、柔軟な運用が難しくなります。
これにより、決められた時間内に成果を出す意識が結果として高まるのです。
学びを加速させる
オンライン研修の普及は、組織に閉じた学びを解放するきっかけになる可能性があります。
知的財産権や守秘義務の問題がクリアされるのであれば、組織をまたいで、ノウハウやデータは拡散され共有されていくことでしょう。
デジタル化とオンライン化がそれを加速していきます。
開かれた世界に放つことができる有益な知識や知恵が残されていることは、未来に対する希望でしかありません。
学びの融合が加速すれば、そこかしこに新しいアイデアやイノベーションが次から次へと生まれていくはずです。