リモートワークは、もう悩まない!怖くない!疲れない!
国立国語研究所教授の石黒圭氏は言います。
本書は、対面コミュニケーションの最大の意義を、双方向の自由な意見交換にあると考えます。
オンラインを通じて仕事をすることが、これまでの働き方と似て非なるものであることを、あなたも痛感しているはずです。
在宅勤務をしたことがあるのならば、双方向の意見交換が、簡単ではないことは経験済みでしょう。
その難しさは、
Web会議システム自体に起因するものではなく、Web会議システムに十分に習熟していない私たちの不慣れから生まれてきているようなのです。
本書の執筆にあたり著者は2つの目標(提案)を掲げています。
- 双方向で自由な意見交換ができる、Web会議システムの活用法を提案する
- 読み手の心にしっかり届く、感じのよい文書の書き方を提案する
(1)を実現するための工夫としては、
- リアルな会議に存在し、Web会議システムで失われがちな弱点を補う工夫を考える
- リアルな会議に存在しない、Web会議システム特有の長所を生かす工夫を考える
(2)を実現するための工夫としては、
- 読み手の誤解を招かない、読み手に優しい情報の伝え方を考える
- 読み手を不快にさせない、読み手に印象のよい感情の伝え方を考える
本書では、Web会議システムの出席者に主体的な参加を促す試みと、Webで対峙する読み手の心に適切に届く言葉を選ぶ試み、この二つをめぐる、多岐にわたる具体的な試みを可能なかぎり紹介することをとおし、オンライン・コミュニケーションに人間性を取り戻すことを目指します。
- 在宅勤務のパフォーマンスを上げたい方
- オンライン会議の生産性を上げたい方
- 文章による伝達力に悩んでいる方
本書の構成について
本書は全部で7章から構成されています。
- みんな仕事で悩んでいる
- 仕事のコミュニケーション術
- 話し合いのメンバー
- 話し合いのルール
- 話し合いの環境
- 情報のコミュニケーション
- 感情のコミュニケーション
もう少し、詳しく言うと、
- 双方向で自由な意見交換ができる、Web会議システムの活用法を提案する
会議メンバーの工夫
- 発言者と参加者の距離を縮める工夫
- 参加者同士の連帯感を高める工夫
- 自分自身を孤立させない工夫
会議のルールの工夫
- ホスト権限を相対化する工夫
- 発言者を共有化する工夫
会議環境の工夫
- 読み手の心にしっかり届く、感じのよい文書の書き方を提案する
読み手に優しい情報の伝え方
情報の質:正確さの工夫
情報の質:わかりやすさの工夫
情報の量:詳しさの工夫
情報の量:簡潔さの工夫
読み手に印象のよい感情の伝え方
感情の質:礼儀正しさの工夫
感情の質:親しみやすさの工夫
感情の量:慎重さの工夫
感情の量:自然体の工夫
ディスプレイの向こう側
Web会議は、情報を公平に提供する報告に向いているシステムであるといえます。
だからこそ、
ディスプレイの向こう側にいる人の気持ちを想像する力が大事なのです。
個々の事情を考慮しながら、自由で主体的な参加を担保し、会議を建設的な生きたコミュニケーションの場にすることが目指されなければならないのでしょう。
コミュニケーションの本質は不変
デジタル・テクノロジーの急速な発展によって、あなたを取り巻くメディアは目覚ましい変化を遂げています。
それは、今もなお、現在進行形です。
コミュニケーションのスタイルは大きく変わりましたが、その本質は昔も今も変わっていないはずです。
私たちが日々積み重ねるコミュニケーション活動において、その目的も、その相手も、その内容も、じつはほとんど変わっていません。
変わったのはメディアだけなのです。
新しいメディアが登場したぐらいで、人間のコミュニケーションの本質は変わらないし、また、変わってはいけないとも思います。
あなたの働き方、仕事のやり方が大きく変わろうとしています。
ディスプレイに向かっての作業機会は加速度的に増えています。
ゆえに、
ディスプレイの向こう側には、あなたの話す言葉を聞き、あなたの書く言葉を読み、あなたの意志をくみ取ろうとする相手が存在することを決して忘れてはならないのでしょう。
より良いコミュニケーションを実現するために、ぜひ本書をご活用ください