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「分断を生むエジソン」彼(彼女)を独りにさせてはならない

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挑戦する人への応援ソングをあなたに

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デビュー2作で25万部を売り上げ、ビジネスパーソンに影響を与え続ける北野唯我氏は言います。

最も高い壁に向かい挑戦し続ける全てのビジネスパーソンに、応援ソングを届けたかったから、です。

堅苦しくなく、考えながら、読者に届くように、著者は前作同様に物語形式を採用しています。

この本はある女性起業家が復活を遂げるまでの一年の軌跡を追った、「働く人への物語」である

本書の出発点は、北野さんが幼いころから感じていた「ある気付き」です。

「才能を持つこと」と「それを使うこと」は別物である。

優れた才能の持ち主は、ともすればその才能を簡単に発揮しようとしがちです。

「最も簡単な才能の使い方」を著者は次のように断言します。

分断を煽ること

集団に属する限り、分断を煽ることから全く無関係でいることはなかなかに難しく、自己正当性を主張するために、煽りにドライブがかかる場合も少なくありません。

その一方で、

あくまで、分断への誘惑に抗いながら、才能を健全に行使しようとする者たちもいます。

どちらの道を進むのかが、ビジネスシーンにおいて日々問われているのです。

私たちはいま、とてつもなく高い氷山に対峙している。その過程であなたは、どちらの道を進むのか。

このような選択を突きつけられている全てのリーダー(全ての愛ある人々)への「問いかけ」が本書を構成しています。

北野さんの提示するテーマはデリケートゆえに、既存のビジネス書の枠組みでは拾いきれないニュアンスに満ち溢れています。

ゆえに、

物語形式であり、会話をふんだんにちりばめたフォームを採用しているのでしょう。

おそらく、

あなたが、キャリアを重ねるごとに、その都度、手に取るべき類いの書物です。

その度に、違う顔をあなたに見せてくれるに違いありません。

こんな人にオススメ

  • すべてのリーダー
  • 仕事を問い直したい方
  • 現在のチームの在り方に疑問を持つ方

優れた経営者は心の中に3つの人間を雇っている

3つの人間とは、言い換えると、ビジネスフィールドにおける3種類のメインプレーヤーに他なりません。

3つの人間

  • 企業家(発明家)
  • 投資家
  • 戦略家

彼らを区別する最大の特徴は「時間への寛容度」です。

企業家(発明家)

  • 時間に対して無限に不寛容。
  • ゼロから何かを生み出すために、時間に対して独特の感覚を持つ。

投資家

  • 時間を買う存在。
  • ゴールに到達するために金を差し出す。
  • 成長のために「待つこと」を覚えなければならない。

戦略家

  • 時間を買う存在。
  • ゴールに到達するために知恵とリーダーシップを差し出す。
  • 「待つこと」を覚えなければならない。

4つの国

世界は「認識」上、4つの国に分かれていると著者は分析します。

その4つの国は、当然に文化も価値観も異なります。

4つの国

  • 西の国(技術と変化)
  • 中部(法律と公益)
  • 東の国(経営と雇用)
  • 南部(娯楽と生活)

もう少し詳しくいうと、

4つの国

  • テクノロジーや個人を主義に置く、革新派の集まり
  • 国家や公益を主義に置き、ルールを執行する存在
  • 経済や組織を主義に置き、実利や歴史を重んじる人たち
  • 生活や家族を主義に置き、共感できるものや実生活に紐づくものを好む集団

それぞれの国の目的とは、

目的

  • 未来の利益を最大化すること
  • 全体の公益を最大化させるために、ルールの調整を行うこと
  • 現在の利益を最大化すること
  • 経済ルールにない、幸せ・感情的な側面を最大化すること

覚えておかねばならないのは、この4つの国には力学が働いているという点です。

たとえば、

人口規模3千万人超の世界であれば、次のようなパワーバランスが保たれています。

  • 西の国:30万人(先進的・反体制)
  • 中部:60万人(全体最適・体制側)
  • 東の国:300万人(保守的・体制側)
  • 南部:3000万人(保守的・中立)

この4つの国とは、言うなれば、集団や組織における「役割」に他なりません。

この4つとは、一つの有機体が安定して生き続けるために必要な役割そのものだからだ。

集団・組織・企業のダイナミズムを理解するとは、その構成要素である人間を理解するということです。

4つの国を俯瞰できる「認識の地図」を持つこと、そこから見通すことが、人間理解の近道であるのでしょう。

あなたも、いずれかの国に属しているはずです。

会社組織にいる限り、それは避けては通れないことなのでしょう。

この場合に重要なのは、

  1. 自分の世界が絶対ではないことを理解する
  2. それは役割の違いでしかないことを知る

の2つとなります。

つまり、俯瞰的な視点であり、相対的な認識です。

4人の病める王とは

4つの国において、外の世界を知らず自家中毒を起こした者のうち、過度に最適化した者は「病める王」となり果てます。

4人の病める王

  • 分断を生むエジソン(西の国)
  • 夢を忘れたピーターパン(中部)
  • 魂なきバンカー(東の国)
  • 才能を殺す巨大スイミー(南部)

分断を生むエジソン(発明王)

好奇心にすべてを捧げて猛スピードで突き進むが、そのスピードに誰もついてこられず大きな分断を生んでしまう。

夢を忘れたピーターパン(理想を追い求める)

正義は移ろいゆくものであり、それを追い続けることは過去の自分を否定することになり、仲間同士で殺し合う羽目に陥る。

魂なきバンカー(成長を追い求める)

成長という手段が目的化して思想を失うと、会社という幻想が実体以上の力を持ち、人の心を殺し始めます。

才能を殺す巨大なスイミー(集団行動)

群れで行動するがゆえに群れの外が見えず、思考停止に陥り、本来敵ではないものを殺してしまう。

ペインとゲイン

商品やサービスは大別すると次の2種類となります。

  • ペイン型 取り除く
  • ゲイン型 与える

ペイン型の代表格がAmazonです。

迷うこと、探すこと、比べること、面倒なこと、煩わしいこと、それらの全てから利用者を解放しようと日夜進化しています。

つまり、

「支配のルール」を増強しようとしているのです。

支配のルールとは、

  • それ以外の選択肢を考える必要がないものだけが、強い
  • このとき、人は「何も考える必要がないまま」、その商品を選ぶ

これを可能にするのはテクノロジーです。

選択の多様性・可能性を広げる方向の行きつく先が、画一的・強権的な提示であるのですが、それが個々人にとって理論的にベストの選択であるのはなんとも皮肉です。

影響力のルールの方へ

これからの時代、企業や個人が提供すべき質が変わってきたと著者は物語ります。

ペインからゲインへ、と。

支配力から影響力の時代へとシフトしていくのです。

ゲインとは、価値の広がりのことを指します。

自らの価値を大きくしてくれるもの(そう感じさせるもの)が重要となります。

  • ペイン型サービス 他の選択肢がないものだけが、強い
  • ゲイン型サービス 自分の価値を広げてくれるものだけが、強い

ルールを比較しておきましょう。

  • 支配力のルール(ペイン型のサービス- 客観の世界 (他の選択肢を考える必要のない状態を生み出す )
  • 影響力のルール(ゲイン型のサービス- 主観の世界 (価値の広がりに最大の目的を置く )

最も高い山のふもとで

すべての人が、著者が言う「最も高い山」を「最も難しいルート」から登る必要はありません。

それは、能力があり、覚悟を決めた人間がなすべき行為だと思います。

ただひとつ言えることは、

重要困難な戦いに挑む者を孤立させてはならないということです。

それは積極的な加担や支援を意味しません。

戦っているあなたは独りではないと、暖かい眼差しを送ればいいのでしょう。

これからの時代、

ますます孤高の「エジソン」は世の中が変わる過程で大きな役割を果たすはずです。

彼(彼女)が不可避的に持ちうる「分断する力」を抑え込むことができるのは、北野氏の言う「愛」であるのかもしれません。

「愛」が「連帯」や「協働」という形をとり、広がっていく社会を作り上げるキーとなるのは、「エジソン」になれなかったわれわれ自身に違いないのです。

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✒︎ この記事を書いた人

人事屋パドーのアバター 人事屋パドー 人事系ブロガー

都内に勤務の労働者。元営業マンの人事部長です。当サイトにて、人事・仕事・就活に関して書いています。あなたの悩み事の解決のヒントになれば幸いです。

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