成長が止まる会社ほど経理の人員は減っていく
前田康二郎氏は言います。
本書では、現時点において実際に経理業務の中にAIを取り込むことで「何ができ」「何ができないのか」ということを、実務者の立場から具体的に検証していくとともに、今後、AIをどのように経理業務に取り込める、あるいは活用できる可能性があるかについて述べていきたいと思います。
AIを駆使する経理であることが、経理部が今後存続していく上での必要十分条件であり、同時に企業が発展していくための必要十分条件であることが、本書を読めばよく理解できることでしょう。
会社の「数字」に影響を与えるのは、経理部員であるあなたに違いありません。
- 経理部員
- 経営層
本書の構成について
本書は全部で7章から構成されています。
- 経理業界とAI業界の内実
- 経理業務に対する認識違い
- 経理を完全自動化させるためにクリアしなければならない具体的な課題
- 経理がAIを活用して本来目指すべき方向性はこれだ
- AIに席を奪われるのはどんな社員か?
- 社長の「良き」「善き」パートナーとなるAI
- 経理社員がAIと共存するために必要な能力
生産性を考える
社内における生産性について、誰がいちばん精通しているかの問いに、著者は経理であると答えます。
なぜなら、数字の分析の専門家であるからです。
ゆえに、生産性の上がる提案は経理部にさせるべきだと前田さんは主張します。
なぜなら、経理が数字を分析すれば生産性の落ちている部分がすぐわかりますし、それがどうなれば生産性が改善するかもすぐわかるからです。
数字が得意な人が数字から新しい発想をすることが一番であるのでしょう。
経理の本質
経理の本質はただの集計作業ではないはずです。
その本質は、地に足の着いた数字的提案に他なりません。
もっと解析、分析、あるいは効率化、生産性などといった、「どうしたら、より良くなるか」ということに重きを置いた開発、運用のほうが良いのではないかと考えます。
数字と紐づける
AIを経理に活かすアプローチは企業の数だけあります。
その根底には、数字とこういうデータと紐づければ面白いという発想があるはずです。
そのアイデアを率先して、経理社員が提案し続けるのです。
それぞれの経理社員の「想像力」「創造力」の違いによって運用の仕方も大きく違い、運用結果にも差がついてくることでしょう。
求められているのは、積極的な発想力に違いありません。