自分らしい第二の人生を踏み出す
楠木新氏は言います。
人は一度には変われないということだ。
だからこそ、
定年前後のギャップに対処するには現役の時から用意周到な準備が必要となります。
定年という名の区切りは、全人格的な生き方を取り戻す大きなチャンスであるのです。
定年はある種の転職と言えます。若い方で転職に悩んでいる方にも本書は参考になると思います。
- 定年前の方
- 転職を考えている方
本書の構成について
本書は全部で7章から構成されています。
- 人生は二度ある?
- 「もう一人の自分」を発見
- 60歳からのハローワーク
- 最後に戻るのは地域と家族
- 童心に返る
- 魅力的な先達に学ぶ
- 逆境がチャンスに
人と出会うためのポイント
定年後のキャリア形成の展開は、付き合う人によって違ってきます。
人との出会いが何よりも重要となります。
著者は人と出会うポイントを4つ挙げます。
- ひとつのことにとらわれない
- 発信系の姿勢が大事
- 自分から与えるが先
- 集団や団体とうまく付き合う
特に組織の中では自分が主体的に生きているわけではないので、それに没入していると周りが見えなくなって通り過ぎる人のことが目に入らなくなる。
定年準備のための行動六か条
- 焦らずに急ぐ
- 趣味の範囲にとどめない
- 身銭を切る
- 個人事業主と接触する
- 相手のニーズに合わせる
- 自分をもっていく場所を探す
焦らずに急ぐ
新たな立場を得るには、「自分に向いているものを探すフェーズ」と「新たなことに取り組むフェーズ」が必要です。
もちろん、どちらも試行錯誤が避けられません。
時間はあるようで、ないのです。
趣味の範囲にとどめない
退職後は、自分だけの趣味の範囲にとどめないで、わずかでもお金をもらえることを考えることだ。
お金ありきではなく、金銭報酬の授受によって、社会的なつながりがあなた自身の中に明確化されるはずです。
社会とのつながりの指標としてお金の価値をモチベーションとして上手く利用しましょう。
身銭を切る
身銭を切ることが、会社の枠組みから脱出し、定年準備のポイントである主体性を持つ第一歩だということをまずは知るべきであろう。
個人事業主と接触する
個人事業主の働き方を自分の働き方と重ね合わせてみましょう。
会社員としての自分の立ち位置が良く理解できるはずです。
自分を深く掘り下げる最良の機会となるでしょう。
相手のニーズに合わせる
組織で働くビジネスパーソンは、努力を積み上げて自らの能力を高めれば、自動的に相手が関心をもってくれると思いがちです。
そこには相手(相手の気持ち)が不在です。
定年後へ移行するポイントの一つが、この「ユーザーの好みに作り替えること」である。
カスタマイズが必須なのです。
自分をもっていく場所を探す
定年後に、自分の立ち位置を変えるというのは至難の業でしょう。
自分を変えようとするよりも、ありのままの自分をどこにもっていけばよいのかを検討するほうが、むしろうまくいく確率は格段に高まります。
自分の力量を向上させることに注力する人は多い。もちろんそれも大事ではあるが、自分が役だつ場所を探すという行動にも大いに意味があるのだ。