本書を読めば、会社を辞めずに「やりたい」を仕事にする方法がよく分かります
広告会社の博報堂でものづくりを行うクリエイティブディレクターの小野直紀氏は、
「やりたいこと」を実現するために、会社をうまく使った(使い倒した)結果、会社を本当に楽しいと思える場所に変えてしまった異色の会社員です。
その仕事ぶりや会社に対する彼のスタンスは、ある種、ビジネスパーソンの憧れであると言えるでしょう。
あなたは、
やりたいことが見つかった時に、今の勤め先では実現可能性が極めて低いと判断したならば、どうしますか?
- 自分がやりたいことができる会社に転職する
- 自分で起業する
いずれも簡単にはいきませんが、ごくごく普通の考え方であると思われます。
しかしながら、小野さんは、
会社にいながらにして自分のやりたいことを実現する
という選択肢を選びました。
当然に、すんなりといくわけにはいきません。
様々な試行錯誤を経て、どうやって動き続けたのか。
その悪戦苦闘の記録が本書となります。
お人柄なのでしょうか、苦難の道のりなのにさらりと表現されています。
- 今の会社でもっと輝きたい方
- 仕事で行き詰っている人
- 前例がなくて悩んでいる人
本書は二部構成になっています
- STAGE1 どうやって本当にやりたいことを見つけたのか
- STAGE2 見つかったやりたいことをいかに会社で実現していったか
ステージ1は高校受験から入社するまでを中心に書かれています。
ステージ2は博報堂での取り組みと同時に、社外での個人的なクリエイティブな活動について説明されています。
次に本書の目次をご紹介します。
STAGE1
- 第一章 生い立ち、そして広告会社に入るまで。
- 第二章 自分が求めるクリエイティブとは?
- 第三章 答えは会社のなかにあるとは限らない。
STAGE2
- 第四章 なぜ広告会社がモノづくりをするのか。
- 第五章 会社の内と外に向けて旗を立てる。
- 第六章 会社初の試みをいかに実現するか。
ステージ1について
「本気でやりたい」と思うことを見つけることができたポイントを小野さんは3つあげています。
- この道じゃない、と思ったら逃げる。
- 非常識を恐れない。
- 会社の外で自分を試す。
このうち、特に印象深かったのは「逃げ」です。
詳細は、本書に譲りますが、
なにもかも正面から解決しないで、一時的に保留し、自分の心の中を訪ねる時間を作るという時間稼ぎはとても必要であると思いました。
逃避行は次のステップにはある意味、不可欠であるのかもしれません。
ステージ2について
広告会社がモノづくりをするというチャレンジがどうして実現できたのか。そのポイントを小野さんは3つあげます。
- 会社に徹底的に向き合う。
- リスクをとる覚悟を決める
- 世の中を味方につける
自分が本当にやりたいことを実現するために必要なこととはなんだろうか?
小野さんの出した答えがこれでした。
まず大事なのは、自分がやりたいことと、会社がやりたいこと、やるべきことのすり合わせをすることです。
「やりたいからやらしてください」の末路は貧しいものに決まっています。
会社のために、世の中のためになるのかどうか、しっかりと見定めているのか。
そこのところがなによりも問われるはずなのでしょう。
幸福な掛け算
会社を味方につけて、とことん使い倒すことで、より大きなこと、世の中にインパクトを与えるようなことができる。
それを実現するために、
「自分 X 会社」の幸福な掛け算が必要であると小野さんは言います。
会社には様々な資産があります。
貴重な数々の資産を最大限に活用することが、自分のやりたいことの実現への最短距離であることを、この数式は教えてくれるはずなのです。