すべてのひとびとにチームを動かすスキルを!
著者の中原淳氏と田中聡氏は言います。
本書「チームワーキング〜ケースとデータで学ぶ「最強チーム」のつくり方」は、同時代を生きる多くの方々に「チームを動かすスキル」を学んでもらうために編まれた実践的な書籍です。
行動には失敗がつきものです。
その失敗から、個人も組織も多くのものを学び取ることが可能です。
経験からの学習は簡単ではありません。
チームで学ぶ、チームが学ぶためには、実践的な知識を学習する際の「交通整理」が不可欠です。
本書を通じてまずはチームにとっての「共通言語」を学びましょう。
本書で論じた「チームを動かすスキル」や「チームを動かすものの見方」を、チームメンバー全員が共有することができれば、より効果的かつ生産的にチームが躍進しだすと思います。
- チームメンバー
- チームリーダー
- 管理職
本書の構成について
本書は全部で7つのパートから構成されています。
- ニッポンの「チーム」をアップデートせよ!
- なぜ、日本の職場がうまく回らなくなってきたのか
- チームは常に「動き・変化」している チームワーキングとは何か?
- 目標を設定するのではない、握り続けるのだ
- 「何が解くべき課題」なのかを、動きながら探し続ける
- チームのために思ったことをはっきり伝える
- すべてのひとびとに、チームを動かすスキルを!
成果の出るチームの特徴
成果の出るチームとは次のように定義づけられます。
- チームメンバー全員が動き、
- チームの状況を俯瞰する視点を持って、
- 共通の目標に向かってすべきことをなしながら、お互いの仕事に対し相互にフィードバックをし続けている。
チームワーキングとは
チームに関する新しい捉え方である「チームワーキング」という考え方が提唱されています。
チームを静止したものではなく、「生き物」のように常に動き続けるものとして捉えるという見方となります。
チームは常に動いている、動かなければならないのです。
チームを見つめる3つの視点
チームワーキングには、チームを見つめる次のような3つの視点が必要です。
- チーム視点
- 全員リーダー視点
- 動的視点
チーム視点
チームの全体像を常に捉える視点
全員リーダー視点
自らもリーダーたるべく当事者意識を持ってチームの活動に貢献する視点
動的視点
チームを動き続けるもの、変わり続けるものとして捉える視点
しかし、それでも私たちは、チームを見つめる「視点」の重要性を繰り返し主張せざるを得ません。物事をどう捉えるのかは、人が行うすべての行動の源泉となるものです。たかが「視点」されど「視点」なのです。
3つの行動原理
チームワーキングを生み出すためには次の3つの行動原理が不可欠です。
- ゴール・ホールディング
- タスク・ワーキング
- フィードバッキング
ゴール・ホールディング
目標を握り続ける
タスク・ワーキング
動きながら課題を探し続ける
フィードバッキング
相互にフィードバックし続ける
チームワーキングの基本構造
今までの説明を整理しておきます。
チームワーキングは、次のような上部構造と下部構造から成ります。
下部構造(OS)が「チームに対する見立て」となります。
この見立ては、チーム視点、全員リーダー視点、動的視点から構成されます。
上部構造(アプリ)が「チームにおける具体的な行動」となります。
この行動は、ゴール・ホールディング、タスク・ワーキング、フィードバッキングから構成されています。
こうした具体的な行動を、全員で担い続けることによって、チームワーキングの状態が保たれ、高い成果を残すことができます。