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「承認欲求」の呪縛。認められたいが破滅を招いてしまう

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人間関係の向上や組織での成果アップに変換するヒントが詰まった一冊!

個人を尊重する組織研究が専門であり、同志社大学で教鞭をとる太田肇氏は言います。

本書では「承認欲求の呪縛」が私たちの仕事や生活のなかにどれだけ広く、深く根を張っているか、いかにそれが危険なものかを明らかにしていきたい。そのうえで相手を呪縛しないために、また自分が呪縛に陥らないためにはどうすればよいかを述べようと思う。

承認欲求とは?

承認欲求とは、他人から認められたい、自分が価値のある存在であると認めたいという欲求です。実生活において、いろいろなカタチ(出世・名誉・名声・自己顕示欲など)で現れます。

期待にこたえなければと、無理を重ね、潰れていく期待の星はどの分野にもいます。

企業組織においても例外ではないはずです。

もちろん、承認によって得られるプラスの効果は否定できません。

しかしながら、

あることがきっかけでそのままマイナスに転化していく例も数え切れないのです。

ところが困ったことに、「承認欲求の呪縛」に陥っていても、それに気づかない、あるいは気づいても認めようとしないケースが多い。組織や社会のリーダー、研究者たちも、この問題とまともに向き合ってこなかった。

このような認識を持てば、「ほめて育てる」がいかにナイーブな議論であることがわかるはずです。

親は子に、教師は生徒に、上司は部下に対し、よかれと思って行ったことが結果的に相手を呪縛していないか、冷静に振り返ってもらいたい。

「がんばり」について、立ち止まって考えたいのならば、ぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか。

こんな人にオススメ

  • 無自覚な親
  • 無自覚な教師
  • 無自覚な上司

本書の構成について

本書は全部で4章から構成されています。

  1. 「承認欲求」最強説
  2. 認められたら危ない パワハラ、隠蔽、過労死・・
  3. 「呪縛」の不幸な結末
  4. 「承認欲求の呪縛」を解くカギは

承認の効果

主なものは次の6つとなります。

本書では「ほめる」「認める」「承認する」の違いを必ずしも明確には区別せず、文脈に応じて使っています。

  • 内発的モチベーションアップ
  • 自己効力感の向上
  • 評価・処遇への満足
  • 勉強への関心と不安
  • 成績の向上
  • 離職の抑制

自己効力感とは、環境を効果的に支配できている感覚を指します。言い換えると、「やればできる」という自信を意味します。

承認は、それ自体としてあなたを動機付けます。

そればかりではなく、

認められれば、他の欲求が満たされたり、有形無形の様々な報酬を得られることでしょう。

つまり、

承認の恩恵は多岐にわたるのです。

承認欲求は強い力であなたをつき動かすことを忘れないでください。

ゆえに、

承認欲求を適切にコントロールする必要があるのです。

呪縛を引き起こす3つの要素

実際に「承認欲求の呪縛」が何によってもたらされるか、その強さはどのように決まるかを定式化しておくことにしよう。

呪縛を引き起こす3つの要素とは、

  • 認知された期待
  • 自己効力感
  • 問題の重要性

となります。

「認知された期待」と「自己効力感」のギャップがプレッシャーの大きさを左右します。

自分の能力にどれだけ自信があるか、応えようとする意志があるかによって、つまり自己効力感の強さ(大きさ)によって、違ってくるのです。

定式化すると、

(認知された期待ー自己効力感)X問題の重要性=プレッシャーの大きさ(承認欲求の呪縛の強さ)

となります。

たとえば、「認知された期待」と「自己効力感」のギャップが大きくても、自分にとって重要な問題でなければ、プレッシャーを感じない場合もあるのです。

あなたの組織は大丈夫ですか?

だれの心の奥底にも潜んでいる承認欲求。それが無意識のうちに精神的な負担となり、本人の意に反して無理をさせたり、自由を奪ったりする。ときには、それが過労死や過労自殺、犯罪、組織不祥事といった重大な事態を招く場合もある。

グローバル化の進展の一方で、日本では狭い共同体に捉われている傾向が強まってきていると著者は指摘します。

仲間うちでは絶対に認められなければならない、そこで認められさえすればいいという感覚だ。

これは、学校やSNSの世界だけの話ではなく、当然に企業組織にもあてはまります。

承認は本来、その人の個性や努力、業績などをほめたり讃えたりするものである。認められるためにやらなければいけない、というのは本末転倒なのだ。

あなたの組織は、承認欲求が不健全な方向へ導かれる「土壌」のうえに成り立っていないかを今一度チェックする必要があるはずです。

  • ハラスメントを怖がって、「褒めてさえすればいい」と通り一遍の対応をやっていないでしょうか。
  • 「いいね」を連発して、知らず知らずのうちに部下のハードルを上げていないでしょうか。
  • 「期待しているから」と無言の圧力をかけて、若手を追い込んでいないでしょうか。

いまこそ人間の欲求のなかでも「最強」といえる承認欲求を健全な方向へ転換し、人も、組織も、社会も活力を取り戻すべきだろう。

部下は褒められることに鈍感であり、上司は褒めることに敏感であってほしい。

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✒︎ この記事を書いた人

人事屋パドーのアバター 人事屋パドー 人事系ブロガー

都内に勤務の労働者。元営業マンの人事部長です。当サイトにて、人事・仕事・就活に関して書いています。あなたの悩み事の解決のヒントになれば幸いです。

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