今までと同じ教育では若手はもう育ちません!
GO FRONTIER 代表の石田祐一郎氏は言います。
本書では、そんな「育成」に携わるすべてのリーダーに向けて、今どきの若手を戦力に変える方法をまとめていきたいと思っています。
上手い育て方にはもちろんコツがあります。
一言で言うと、
上手くいくコツは、自分のペースで行うこと。
そして何よりもまず、頑張っている自分を最初にほめることからがスタートです。自分を大事にし、満たされているからこそ、若手に対して貢献したいという気持ちになるのです。
部下指導で悩んでいるのであれば、一度手に取ってみてはいかがでしょうか。
- 育成で悩んでいるマネージャー
- 若手にどう接していいのかわからない上司
- 成長を願う若手社員
本書の構成について
本書は全部で5章から構成されています。
- 今どきの若手を徹底分析する
- 若手を最短・最速で育てるための準備と心構え
- 若手が自主的に考えて動き出す、指示とフォローのコツ
- 若手とのコミュニケーションが、劇的に上手くなるコツ
- 若手の成長が自分の幸せになる
今どきの若手の10の傾向
次の10点があげられています。
傾向を十分に押さえたうえで、その人自身ときちんと向き合っていく姿勢がポイントであることは言うまでもありません。
- 失敗が大嫌い
- やりたくないのではない、自信がないからやらないだけ
- 挑戦よりも安定が大事
- 競争心では動かない
- 打たれ弱い
- 出世やお金よりも楽しいことや趣味が大事
- 仕事も飲み会も合理性重視
- 納得すると期待以上に動く
- 主張しないのは周囲の空気を読んでいるから
- 自分が目立つより仲間とのいい関係が大事
育てたい若手像を明確にする
若手を育てるには、まずしっかりとした「人材ビジョン」と「育成プラン」をつくることが第一歩です。
人材育成に必要な3つの要素
- 人材像(ビジョン)
- 到達点(ゴール)
- 計画(プラン)
一番大切なのは人材像(ビジョン)です。
人材像を明確にするためには、次の2点が重要です。
重要な2点
- 組織が求める人材像
- 自分が一緒に働きたい人材像
この2点を明確にし、それを合わせたものが、あなたと組織が求める人材像です。
組織が求める人材像とは、
会社の企業理念を実現する人材となります。
ゼロポジションという立場
コミュニケーションが上手い人は次のような立場をとっています。
人はそれぞれ異なる価値観を持っているのだから、まずは様々な価値観を受け入れることが必要である。
このように考える立場をゼロポジションと言います。
具体的には、
絶対に「相手を否定しない」ことです。
つまり、
聞いた内容を否定せずに、一旦受け入れることをしているのです。
これに加えて、
相手の言っていることに対して「いいね」と返答します。
自分が受け入れられていることを実感させる言葉を簡潔に発するのです。
このひと言で、前向きに話し合う環境をつくるのです。それによって若手に「安心感」を与えることが、最も大事な点なのです。
「いいね」の一言は、あなたの価値をまずは受け入れますという合図であると同時に、こちらには受け入れるだけの余裕がありますという心の状態の表明となります。
だから、あなたも同じように他人の価値を認める余裕を持ちましょうとのメッセージでもあるのです。
叱るということ
「叱る」と「怒る」の違いを著者は端的に説明します。
- 叱る(目的がある)
- 怒る(目的がない)
[目的とはなんでしょうか?
目的とは、相手の成長に他なりません。
上手く叱る方法にはポイントが3つあります。
3つのポイント
- 人前で叱らない
- 叱るは1つに絞る
- 5ステップで叱る
5ステップとは次の通りになります。
キャリアの見本を目指して
若手が育つ最高の見本は、やはり直属の上司です。
キャリアの見本たる上司になるために、押さえておくべきポイントは次の6つです。
6つのポイント
- 困ったときに助けてくれる
- 分からないときや、悩んだときは相談に乗ってくれる
- 業務に関して的確な指示をしてくれる
- 会社、上司の考えを分かりやすく伝えてくれる
- 業務を円滑に進めるためのパイプ役、調整役をしてくれる
- 率先して業務を遂行してくれる
相手を育てる=自身が育つ
育てるという行為は、その反作用として、自分も期せずして育つものです。
だから、
マネージャーであるあなたは、若手を、部下をどんどん育ててください。
それは、そのまま自分に返ってきます。
つまり、
自分自身が育ってしまうのです。
素敵でしょ。自分も相手も育つのだから