「女性のほうが優秀」と言われ始めた世の中で、まだ報われていないあなたのために
大阪市立大学大学院教授の永田潤子氏は言います。
この本は、女性に向けた、働き方の本です。でも、ハウツー本でも、考え方の本でもありません。
現代社会において、働く女性は、男性中心の社会仕様に自分を切り替えて、一生懸命泳いでいると著者は主張します。
そのような働き方は、どこかで無理が生じているに違いないのです。
男性の働き方・考え方をそのまま当てはめれば、合わないこと、しんどいことが出てくるのも、仕方のないことです。
本書は、思考と感情、そして身体がとても繊細に絡み合っている女性に対して、女性のリアルに基づいて書かれています。
- 女性だから知りたいこと
- 女性だからこそ教えられること
- 女性にこそ伝えたいこと
これらが詰まった1冊なのです。
- 壁にぶつかっている働く女性
- 働く女性を部下に持つマネージャー
- 就活中の女子学生
本書の構成について
本書は全部で6章から構成されています。
- すべての仕事がスムーズになる「自分中心」の考え方
- 前に進める人・進めない人を分ける「心の整え方」
- コミュニケーションを磨いた分だけ、仕事は楽しくなっていく
- 男性の同僚・上司部下との「いい関係」の築き方
- 成果につながる近道は「リーダーシップ論」にあり
- 自分らしく働いて、未来でしっかり結果を出す+αの仕事術
Q&A形式にて紙面が構成されているために、非常に読みやすくなっています。
質問の内容もかなりリアルです。
各章のポイント
第1章
- 「やる気がある=OK/やる気がない=NG」と自分をジャッジしない
- 「やる気」より「その気」で仕事がスイスイ進み出す
- 自分のやりたいこと、ありたい姿を描くところから始める
- 上司は「つかうもの」。「つかわれるだけの人間」にならないコツがあります
- 周囲の人を、自分をサポートしてくれる「専属チーム」と考える
- 「命の幅を活かす」発想で、相性の壁を越えられる
第2章
- いちばん大事なコミュニケーション相手は、実は「自分自身」です
- 人からの評価が気になるときは、思考と感情の「見える化」を
- 未来への不安には「・・・と思っている私」の呪文が効く
- 自信は、能力ではなく「未来の可能性」から生まれる
- 「ストレス解消」神話はもう卒業!「エネルギー・チャージ」の方法を考えよう
- なんとなくの物足りなさは「お風呂の栓」が抜けているサイン
第3章
- コミュニケーションの決め手は「感情」。共感力を発揮して
- 上司が意見を尊重してくれるようになる、リアクションの取り方がある
- 「褒める」より「勇気づける」が人を動かす
- 「怒り」は「リクエスト」に変える
- 「助けてください」を素直に言える人は魅力的、ということに気づく
- 心の距離を縮めて、職場や相手との一体感をつくってみよう
第4章
- 男性にはメンツがある。つぶさないこと
- 正論を振りかざすと、感情がもつれる
- 「余計なおせっかい型コミュニケーション」をやめる
- 男性の肩書はプライド。敬意を払う
第5章
- 女性こそ、平社員でも「リーダーシップ論」が必要です
- よりよい上司・部下の関係を築く タイプ別コミュニケーション・テクニック、教えます
- 立場が上がるほど、当然、仕事の面白さが増していきます!
- 人事評価は、上司と部下との「作戦会議の場」
第6章
- ポイントは「考え方」と「やり方」の両輪を身に着けること
- 問題が起こったら「そもそも論」で切り分けて考えよう
- 「今、何をやるべきか」は目標から逆算する
- 「やればできる」のではなく「やらなければできない」と考える
- 働けば働くほど、「自分らしく」生きられる
半径3メートルを大切にする
ビジネスシーンにおいて、人の心を動かすには、ヒューマン・スキル(人間的魅力)がなければならないと永田さんは強調します。
「ヒューマン・スキル」は、その人の生き方そのもの。日々の生活の積み重ねだからです。
日々の積み重ねのなかから、その人の大切にしたい思いや価値観・人生観などが醸成されていくのでしょう。
日々の積み重ねであるからこそ、「日常生活」は、あなたをあなたらしくする舞台であるはずです。
ゆえに、
「半径3メートルを大切にすること」を著者は提案します。
半径3メートルは、あなたの目で見えて手が届き変えられる場所。ここをどう楽しく快適にするかで、仕事も人生も変わってきます。
手の届く範囲を常に整え、丁寧に生きることで、あなたの人生は豊かになり、人間的魅力に磨きがかかるのでしょう。