介護対応は企業のダイバーシティ推進のなかで遅れ気味であるジャンルです
大抵の企業では取り組みの中心は女性活躍推進となり、男女を問わずの育児休業の取得に対してあの手この手の施策が盛んです。
しかしながら、その影に隠れて「介護問題」に本格的に着手している企業はまだまだ少ないようです。
これからの超高齢化社会では、親の介護問題はあなたにとっても避けることのできない「あなたの問題」です。
本日は日本生命での「介護問題」の取り組みについて触れます。
介護問題は全員の問題
親が存命である限り、介護問題はすべての従業員にとって切実な問題です。
独身であろうが子供がいようが無関係です。ゆえにある意味、育児休業よりも射程が広いと言えます。
日本生命では、2016年から「介護に向き合う全員行動」を打ち出し、全従業員を対象に取り組んでおられます。
会社が明確なメッセージを発信することは非常に意義があります。
けれどもこのようなメッセージは、若い方にはピンときていないのが現状でしょう。
ご自身も若いし、親御さんもまだまだ介護の年齢ではないからです。
実際的に介護の問題に直面するのは、40から50代の社員が大半でしょう。多くの場合、それなりのポジションで働いているひとたちであり、容易に仕事を長期間に亘って休むことが難しい世代です。
ひとりで抱え込む方も多く、遠距離に居住している場合などは、なおのこと頭が痛いところです。
会社ができること
会社ができることは限定的です。しかしながら、限定的だからといってまったく無意味であるはずがありません。
介護の問題に直面している従業員は会社も一定程度の理解を示していると確認できるだけで心が休まります。
職場において、他人事ではなく、自分にも切実な問題であるとの認識が共有できていれば、仕事のやりくりはよりスムーズさを増すでしょう。
人事部門においても積極的に介護に関する制度や運用実態を周知し、従業員が相談しやすい雰囲気作りを行うことは非常に大事なことです。
介護に対する職場の無理解・偏見による孤立化や、介護離職を余儀なくされる事態は絶対に避けるべきです。
日本生命では、介護に対する理解を深める「体験セミナー」や介護施設でのボランティア活動を実施されているそうです。
私もかつて、別会社の体験セミナーに参加したことがありますが、人を抱き起こすことひとつとってみても、いかに重労働でありかつコツが必要であるのかを実感できました。
機会があれば是非参加してみてはいかがでしょうか。
人事部門においても積極的に介護に関する制度や運用実態を周知し、従業員が相談しやすい雰囲気作りを行うことは非常に大事なことです。
理解ある職場環境をいかに醸成していくのかが、介護問題解決の第一歩であると考えます。