部下を踊らせて大きな結果につなげる秘密を伝授
組織・人事コンサルタントの麻野進氏は言います。
現代のリーダーは、部下の特性(経験、能力、欲求、キャリア志向性など)を見極めながら、最適なコミュニケーションをしなければならないのです。能力のレベルアップだけでなく、アイテム(武器)を持たせる必要がある。
あなたの周りの「イマドキ」社員は若手に限ったことではないはずです。
- 20代のさとり世代の部下
- 30歳を超えてきたゆとり世代の部下
- 出世しそびれて悶々としているロスジェネ世代の部下
- ピークアウトしてきたバブル世代の部下
- 定年再雇用後のオジサン部下
管理職のあなたにとって、世代を問わず「イマドキ」の部下の取り扱いには注意が必要なのです。
理想の上司とは、いつの時代も部下にとって都合のよい上司のことを指します。
したがって、
理想を目指して、あなたは振り回された挙句にボロボロになる可能性があります。
必ず回避しましょう。
本書は、広範囲にわたる領域でマネジメントを求められるあなたの強い味方にきっとなってくれることでしょう。
- 新任管理職
- 部下の気持ちがいまいち見えない上司
- 悩めるチームリーダー
本書の構成について
本書は全部で6章から構成されています。
- イマドキのゆとり世代の特徴とトリセツ
- ロスジェネあきらめ世代のトリセツ
- バブル世代部下のトリセツ
- イマドキ部下を上手にあしらう人事評価マネジメント
- イマドキ部下が自ら動き出すキャリア・コーチング
- ストーリーでわかる「企業通貨インセンティブ導入法」
イマドキ世代の特徴
次のような特徴があります。
- 上昇志向が見られない
- いやなことはしたくないが前面に出る
- 権利意識が強い
- 結果が見通せないことに対して、無駄なことはしたくないとすり替える
- 記憶力が弱い
- わかったふりをする
- 介入されたくはないけど、無視も嫌だ
取り扱いのポイント
次のような点に気を付けながら接することが効果的です。
- 与える仕事の内容をマニュアル化し、安心感を与える
- 自分がやらないとヤバいことになるという気持ちにさせ、責任感を芽生えさせる
- 怒っているわけじゃないと伝えてから話す
- 「君はどう思う?」と質問しながら、自分で考えさせる
特に、20代前半のイマドキ君に対しては、20代のころの仕事は自分を成長させてくれるための試練であると捉えさせることが有効でしょう。
著者はそのような時期の仕事を「私事(しごと)」と言います。
私事(しごと)という意味は、仕事として同じ業務をこなしても、それによって自分個人を成長させるためのものだということです。
自分のスキルを伸ばすことを第一に考えたとしても、それが許される時期なのです。
しくじらない効果的な部下の叱り方
イマドキ部下は、叱られることに非常に敏感です。
ハラスメントと言われないためにも次の7つの原則を押さえておきましょう。
7つの原則
- 事実を指摘する
- 感情的にならない
- できるだけ事柄が発生した時点で
- 他のメンバーがいないところで
- 人格や性格を持ち出さない
- うまくいかなかった原因を考えさせる
- 意見を言わせる。質問を投げて考えて答えさせる
「叱る目的は何か」をあなたは決して忘れるべきではありません。
目的とは、
相手(部下)に自分のミスをきちんと認識させ、同じミスを繰り返させないようにすることです。
あざといと思われないための上手な褒め方
次の7つのポイントが重要です。
7つのポイント
- 可能であれば他の同僚がいるところで褒める
- 照れずにタイミングよく、さりげなく褒める
- 具体的に褒める
- ポジティブな言葉で、明るく、笑顔で褒める
- 結果だけでなく、努力の姿勢や評価すべき行動も併せて褒める
- うまくいった要因を再認識させる
- できれば、他人をネタにして褒める
間接的に褒めるとか、いま気付いたんだけど、とさりげなく褒めるとか、指示を与えている中で、君ならできるはずだ、と暗にわからせるなど、いろいろと工夫が必要です。
褒め上手は、部下をマネジメントするときの大きな武器となります。
上司が合わせる時代
昔は上司の指導スタイルに部下が合わせることで組織が回っていましたが、現在では、これら多様化する部下に対してこちらが合わせていかなければ組織運営が困難となり、20~30年前とは真逆のマネジメントが求められているのです。
だからこそ、本書を手に取り、マネジメントの傾向と対策を徹底しましょう。
あなたにはアイテム(武器)を持つべきなのです。