どうすればより良い組織になるのか?その答えがここにある。
セムコスタイル・インスティテュート・ジャパン代表の秦卓民氏は言います。
すべての一見正しく見えるコンセプト、ルールや制度に対し、「なぜそうなのか?」と3回問いかけ、そして「本来どうあるべきか?」を問い続けるアプローチこそが、セムコ社がマネジメントの領域において起こしたイノベーションの根底にあった。
セムコスタイルとは?
ブラジルの海運業を代表する企業であるセムコ社を統括するリカルド・セムラー氏が実行してきた経営改革の手法のことです。
その要諦はルールや制度の廃止です。
すなわち、
セムコ社が改革の過程で行った一番大きいことは、このように社員を信頼して「コントロール」をやめたこと、つまり管理をやめたことだった。
人は自由を欲しますが、自由の状態に放置されることに得てして居心地の悪さを感じるものです。
自分で決めることの見返りに自らの責任を強烈に意識せざるを得ないのです。
組織に属しているのならば、なおさらでしょう。
セムコスタイルとは、
自立できる人間に自律を求めるシステムであるに違いありません。
あなたの組織、そしてあなた自身はどうでしょうか?
- 組織改革に取り組んでいる方
- 悩めるマネージャー
- 事業拡大を求める経営層
本書の構成について
本書は全部で9章から構成されています。
- セムコスタイルとは何か
- セムコスタイルのコンセプト
- セムコスタイル 5つの原則
- 原則1 信頼
- 原則2 代替コントロール
- 原則3 セルフマネジメント
- 原則4 徹底的なステークホルダーアライメント
- 原則5 創造的イノベーション
- セムコスタイルの実践
変革のロードマップ
セムコスタイルを使って組織の改革を行うには、次の9つのステップがあります。
これを「変革のロードマップ」と呼んでいます。
学習する姿勢を企業文化にまで高めることができるならば、その会社にふさわしい組織の在り方や働き方が、将来にわたり創造されていくのでしょう。
5つの原則とは
次の5つとなります。
5つの原則
- 信頼
- 代替コントロール
- セルフマネジメント
- 徹底的なステークホルダーアライメント
- 創造的イノベーション
信頼
- フィルターをかけない透明性
- パワーギャップの縮小
- 大人対大人
代替コントロール
- 自主自立
- 官僚主義を取り払う
- シェアードコントロール
セルフマネジメント
- コミットメントのカルチャー
- 同僚の力
- 才能開発
徹底的なステークホルダーアライメント
- 共通の土台
- 外→内の視点
- 一貫性
創造的イノベーション
- クリエイティブスペース
- 箱の「中」で考える
- 起業(独立)精神
創造的イノベーションの風土をつくるために、先の4つの原則が前提となります。
結果としてチームでイノベーションを起こす組織づくりを目指しましょう。