相手を説得し、動かしたい!でも、そのためのコミュニケーション能力に満足していないあなたへ
ビジネス数学の専門家であり、教育コンサルタントである著者の深沢真太郎氏は、本書を通じて「数学的にコミュニケーションする」ことを提案します。
簡単に言えば、ビジネスパーソンに数学を教えるのではなく、ビジネスパーソンを数学的にしているのです。
数学的とは、あいまいさを極力排除することと意味は同じです。
ビジネスシーンにおける万国共通語が数学であることは疑う余地がないでしょう。
10はあくまで10としか解釈を許しません。
数学の持つ論理性は説得における必要条件であり、十分条件であるはずです。
数学が持つ説得力(厳密性)を駆使する数学的コミュニケーションは、あなたの意思疎通の質を飛躍的に高めることとなるでしょう。
- コミュニケーションに難ありの人
- ビジネス力をアップしたい方
- プレゼンで連戦連勝を目論む人
本書の構成について
本書は、全部で4章から構成されています。
- 数字のつくり方
- グラフの使い方
- 論理的シナリオのつくり方
- 数学的な話し方
本書は「定量化する」「グラフを使う」「プレゼンの設計をする」「話す(伝える)」の4章で構成されています。お気づきかもしれませんが、ビジネスコミュニケーションのほとんどはこの4つを、この順番ですることに他なりません。
プロセスを数学的に進めることで、コミュニケーション理解を促進させるのです。
数学的コミュニケーションを身に着けるための第一歩
一般的にコミュニケーションのためには「言葉」がたいへん重要であります。
ビジネスの現場において、「言葉」とは「数字」に他なりません。
多くのビジネスパーソンは、「言葉」をつくることが苦手です。
ゆえに、
数字で上手くコミュニケーションすることができないのでしょう。
数学的コミュニケーションを身に着けるための第一歩は、
伝えるための数字を自分で作れるようになることです。
本書の第一章では、つくり方における基本的な考え方が丁寧に解説されています。
また、第二章のグラフの使い方はとてもテクニカルな内容です。実践的であり、即効性に高いものばかりで非常に役立つと思われます。
伝えることの難しさ
伝えることの大前提について著者は次のように要約します。
人は、他人の話を聞きたいとは思っていない。 でも、自分に必要なことだけは聞きたい。
人間は基本的に聞きたいよりもしゃべりたいが勝ってしまう生き物です。
傾聴を強いられた場合、できる限り最小限にとどめたいという意識が起動します。
「話は長く聞きたくはないが、自分にとってメリットになる事柄は聞き逃したくない」
あるいは、
「要するにエッセンスだけを言ってよ!」
という風に、いつもいつも「ワガママ」な態度をとります。
だからこそ、
あなたがビジネスシーンで心がけなければならない態度はただひとつだけと言えます。
相手が伝えてほしいことだけを、簡潔にわかりやすく伝える。
本書は、この一文の後半部分である「簡潔にわかりやすく伝える」に力点が置かれています。 それと同等以上に、前半部分の「相手が伝えてほしいこと」の重要性を繰り返し強調します。
重要コミュニケーションとは常に「FOR YOU」の精神を貫かねばならないのです。
本書が目指す「なるほどと言わせる」というゴールは、どこまでも相手ファーストのスタンスによってはじめて実現できるものとなります。
数学的コミュニケーションはどこまでも人間臭く、ヒューマンスキルにあふれることを本書を読めばあなたもきっと理解できるはずでしょう。