2021年、わたしたちの働き方は大転換する!
著者の柴田彰氏と加藤守和氏は言います。
本書は、「ジョブ型」の持つ良い点も悪い点も含めて、体系的に整理し、まさにこれから導入する日本企業の「教科書」として役立つことを期待している。
ジョブ型という言葉だけが独り歩きし、人事担当者の間でも正しい理解が為されていない場合が少なくないと、著者たちは嘆いています。
ジョブ型を体系的に学ぶ機会が圧倒的に不足している我が国において、まずは本書を「教科書」として紐解くことで、理解を進めてみてはいかがでしょうか。
- 人事部長
- 人事部
- 経営層
本書の構成について
本書は全部で10章から構成されています。
- なぜジョブ型人事制度が求められるのか
- ジョブ型人事制度の普及拡大の実態
- 日本の労働慣行とのギャップ
- ジョブ型制度における等級制度
- ジョブ型制度における評価制度
- ジョブ型制度における報酬制度
- 導入コミュニケーション
- ジョブ型制度における運用体制・プロセス
- ジョブ型制度の導入事例
- ジョブ型制度の導入における課題
ジョブ型制度が求められる背景とは
現在のジョブ型制度導入の機運の高まりは、次の4要素が契機になっていると考えられます。
- 変化の激しい事業環境への対応
- 同一労働同一賃金の要請
- 高齢化社会の到来
- 海外経験を持つ経営者の増加
日本企業がジョブ型制度を導入する狙いとは
大きく分類すると次の3つがあげられます。
- 年功序列の打破(適正処遇の実現)
- 適材適所の実現
- スペシャリスト人材の活用
ジョブ型制度の根幹をなす職務等級とは
ジョブ型制度における等級制度は、職務等級と呼ばれるものです。
これは、個々のポストを職務価値に応じて序列化し、等級に格付けています。
職務等級と異なる等級制度の代表的なものは職能等級と呼ばれるものです。
その違いは簡単に言うと、
職能等級では、ヒトの能力を判定することがカギになっているように、職務等級においてはポストの職務価値の判定が何より大事な要素となる。
職務等級においては、
例えば、同じ部長職でも、人事部長ポストと経理部長ポストのいずれにより価値があるのかを問う必要があります。現職者が職責を果たせなかった場合に、会社によりダメージを与えるポストはどちらになるのかによって、給与水準を決定することになります。
ジョブ型制度の導入と運用における課題とは
代表的なものには次の5つがあげられます。
- 経営陣・現場責任者のジョブ型制度への理解不足
- 組織変更やポジション新設に対応しきれない
- 柔軟な人事異動の阻害
- 制度変更しても旧来の年功的運用から脱却できない
- 人事部内にジョブ型人事への知見集積が乏しい
以前から指摘されてきたジョブ型制度の課題だけでなく、こうした組織運営の核となる経営幹部の問題が指摘されている点が、現代の日本企業の悩みの深さを物語っている。
ジョブ型への移行があなたの属する企業にとって、必要であり必然であるのかいなかは、あなたの企業が何を大事にし、何を目指したいのかによって、自ずと決まってくるのでしょう。