相関関係は確かにあるような気がする
新卒採用においてオンライン上での面接がデフォルトになりつつある現在、新たなコミュニケーションの作法を就活生は求められています。
大学での授業やゼミもオンラインが大半である経験を活かし、ある意味、人事担当者よりもオンライン上のコミュニケーションをそつなくこなす学生も少なくありません。
学生に負けないように、こちらも日々悪戦苦闘しています。
オンラインでの面接のやりにくさや不便さは、何かに似ているなと昨年以来頭に引っ掛かっていました。
最近ようやく、これじゃないかなと思い当たりました。
電話による会話に似ている、と。
以下に、このような個人的な心当たりについて少しだけお話しします。
オンライン面接のやりにくさ
オンライン面接のやりにくさについて、学生であろうと人事であろうと、多くの人が口にします。
実際、私の場合も、流れをつかむのに一定程度の時間が必要でした。
現在は、初めの頃と比べ、タイミングや間の取り方もわかるようになり、それなりの「かっこ」はついていると思います。
オンライン面接におけるやりにくさは、ひとえに間の取り方の難しさにあります。
通信における微妙な遅延が多少は作用していることももちろん関係しているでしょう。
それ以外にも、理由は確定的に言えないのですが、
対面であれば、直感的に理解できるタイミングが、画面越しになると、どういうわけかタイミングが取りづらいのです。
逆に言うと、対面とは、圧倒的な情報の交換を可能にしている場であったのだという新鮮な驚きです。
実は、コミュニケーションの場面での間の取り方の難しさに関して、我々はこれが初めての経験であるとは言い切れません。
そう、電話による通話コミュニケーションです。
電話(音声通話)の難しさ
電話(一般的な音声のみ)で用を足すことは簡単ではありません。
なぜなら、自分の放った言葉がどのように相手に受け止められているかを相手の表情や仕草さから読み取ることが不可能だからです。
身振り手振りで誤魔化すこともできず、言葉の連なりだけが意思疎通の生命線となります。
想像に想像を重ねるしか手がないのです。
通話においては、沈黙を含む「間」は実に豊かな意味を生産します。
そのような「間」が作り出す相手の「意図」をあなたは頭をフル回転しながら理解に努めなければならないのです。
ビジネスシーンであるのならば、こちらが伝えたいことを的確に伝える力が当然に要求されます。
ロジカルに説明しなければ、コミュニケーションは容易に座礁し、不成立に終わることでしょう。
画像(絵・姿)があるだけマシだ!
電話と比べると、画面があるだけオンラインでのコミュニケーションの方がずっとマシであるとあなたは思うでしょう。
実際、画像(絵・姿)の恩恵は計り知れません。
おそらく、
オンライン面接をそつなくこなす学生は、電話でのコミュニケーションが上手いに違いないと思います。
姿の見えない相手との意思疎通を無難にこなせるのだから、姿が映っているオンラインコミュニケーションなど苦になるはずがない、と。
SNSによる文字(絵文字)情報が全盛の時代に、一部の人間に限り、音声のみの会話経験がなぜ豊富であるのかの理由はよくわかりません。
けれども、そのような想像力が試されるコミュニケーションを重ねた経験が、オンラインの場面で大きく物を言っていると推測します。
入社後も期待大?
入社後のビジネスの現場では、まだまだ電話によるコミュニケーションはなくなりそうにはありません。
したがって、
オンライン面接上手の学生は、入社後、電話によるコミュニケーションにおいても大いに期待できると踏んでいます。
乱暴な想像と思われるかもしれませんが、多分当たっているだろうとひとり想像を膨らませる今日この頃です。