ビジネスの未来を読み解くための3つのシンプル思考
プランディングディレクターの羽田康祐氏は言います。
本書は、これまで筆者がコンサルティングファーム及び広告代理店で学んだ「推論力」について、理論だけでなく「頭の使い方の手順」や「実践の勘所」、あるいは「ビジネスへの活かし方」も含めて解説する書籍だ。
不確実性が高まり、先の見えな現代社会において、確実性の高い結論を導き出すために必要なのは、推論力に他なりません。
かつて、どこかに「正解」があり、それを探し当てることができたと信じられていた時代がありました。
現在、この世の中のどこかに「正解がある」と考えるのは幻想にすぎないと、まともなビジネスパーソンなら誰もがそう口にする時代に、あなたは生きています。
推論力は「頭の良し悪し」という能力の問題ではなく、「頭の使い方の上手い下手」という「方法論」の問題だ。
適切な推論を立て、能動的に問題解決をしてみませんか。
- 問題解決力を高めたい方
- 推論力を身に着けたい方
- 仕事がもっとできるようになりたい方
本書の構成について
本書は全部で5章から構成されています。
- 可能性を広げる推論力
- 「優れた洞察」を生み出す推論法
- 「予測と検証」を可能にする推論法
- 「仮説」を生み出す推論法
- 成果を倍増させる「推論力の合わせ技」
推論力とは何か
著者は次のように定義します。
推論力=未知の事柄に対して筋道を立てて推測し、論理的に妥当な結論を導き出す力
ビジネスに推論力が必要である理由は次の6つです。
- ビジネス思考力の要となる
- 分析力の向上に欠かせない
- ビジネスコミュニケーションに必須
- 生産性の向上に役立つ
- 提案力の向上に必要不可欠
見えないものを推測し、適切な結論を導き出す力である推論力は、
- ビジネス思考力
- 分析力
- コミュニケーション力
- 生産性
- 提案力
というビジネスで必須とされる主要なスキルを支える中核能力であることがわかるはずです。
推論力は、情報洪水時代に希少価値となる能力である。
優れた2つの推論法とは
よくご存じの「帰納法」と「演繹法」が取り上げられています。
帰納法とは
複数の事実から共通点を発見して結論を導き出す推論法
帰納法は次の2種類にわけられます。
- 観察を通して直接的に共通点を発見する観察的帰納法
- 洞察を通して共通点を発見する洞察的帰納法
帰納法を応用すれば「共通点を根拠に結論を出す」だけでなく「例外を発見して可能性を広げる」こともできる。
演繹法とは
正しいとされているルールに物事を当てはめて結論を出す推論法
ゆえに、
目の前の物事をルールに当てはめれば、必然的に結論が導かれるという性質があるため「意味」や「内容」を吟味しないまま「ただ当てはめる」という思考に陥りやすい。
注意が必要です。
第三の推論法
帰納法と演繹法とは別の推論法として「アブダクション」が取り上げられています。
アブダクションとは
「起こった現象」に対して「法則」を当てはめ、起こった現象をうまく説明できる仮説を導き出す推論法
ビジネスパーソンがぜひ身に付けるべき「仮説思考」に必要な推論力こそが「アブダクション」なのです。
アブダクションで多様な仮説を立てられるかどうかは、ストックしている「法則の多さ」にかかっている。
成果を倍増させるために合わせ技を使おう
ひとつひとつでも有効である「帰納法」「演繹法」「アブダクション」を組み合わせてアプローチすることによって、あなたの成果はより一層、大きくなることでしょう。
合わせることにより、気づきや疑問がたくさん湧いてきて、「法則」や「発見」がしやすくなります。
その発見や気づきが新たな気づきや発見を連れてきて、有効なループを創りだすはずです。
いったんこの3つの合わせ技を覚えれば、あなたは飛躍的に成長することができる。
「ああなれば」すなわち「こうなる」という法則を数多く手に入れたあなたは、未来を予見し、自信をもって意思決定ができるようになるのです。