本当にヤバい時、あなたならどうする?
木村尚敬氏は言います。
そのための一種の思考訓練を、紙上ケーススタディを解くことによって行っていこうというのが、本書の目的です。
修羅場は誰もが避けたいものですが、避けきれない場面が多々あります。
中間管理職のポジションであるのならば、尚更でしょう。
日常茶飯事とは言いませんが、めったにあることではないとは言い切れません。
現代は誰もが修羅場を経験せざるを得ない時代なのです。
修羅場に強くなる一番手っ取り早い方法があります。
修羅場に自ら首を突っ込むことです。
誰だって好んで修羅場など味わいたくないわけで、それを「ケーススタディ」という形で疑似的に体験し、経験値を積んでいこうというある意味、「巧い」本が本書なのです。
- 中間管理職
本書の構成について
本書は全部で5つのパートから構成されています。
- 誰もが「修羅場」を避けられない時代がやってきた
- 対上司・対経営者・・・人間関係の「修羅場」を切り抜ける
- ミドルリーダーが陥る「チームの修羅場」
- あなたの人生を左右する「キャリアの修羅場」
- リストラ、不正、顧客トラブル・・・ある日突然起こる様々な「修羅場」
新しい時代に求められるリーダーシップを発揮する
これからの時代、あなたは、正解がわからなくても、意思決定しなくてはならない覚悟(リーダーシップ)を求められています。
リーダーシップを発揮するために必要なのは、「ポジションを取る」という行動です。
何事においても「自分はこう思う」「自分はこう判断する」という意思表示を明確に行うことが求められているのでしょう。
周りの顔色を窺って躊躇したり、ありもしないはずの「正解」を追い求め、いつまでたっても決め切れないでは済まない時代なのです。
ダークサイド・スキルを身につけろ
意思決定をして、終わりではもちろんありません。
決めたことをやり切るという、もっと高いハードルをあなたは越えていかなくてはならないのです。
やり切るためには、正面突破という正攻法だけでは、望む結果は得られないでしょう。
多くの場合、痛い目をみます。
組織人には組織人の戦い方があるのです。
上の人間をうまく操ったり、社内で使える人間を見極めて自分の手足となって動いてもらったりと、ある種の裏技を駆使しながら物事を進めていくしたたかさも必要です。
このしたたかさこそが、ダークサイド・スキルに他なりません。
泥臭いヒューマンスキルなのです。
本書の使い方
まず「ケース」を読み、2-3分かけて「自分ならこうする」という自分なりの考えを導き出す
解説を読み、自分の考えとどこが違っていたかを確認する。
著者の解答はあくまで解答の一つだという認識に立ち、自分の答えとなぜ違っていたのかをあらためて考える。
修羅場こそチャンス!
30のケースをトレーニングすることで、あなたは様々な中間管理職の困難を疑似体験することができるでしょう。
逃げることからは、何も生まれないことを思い知るはずです。
ぜひ、「修羅場はチャンスだ」と思って、ビジネス人生を楽しく、力強く過ごしていってほしいと思います。