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生産性向上の決め手は人に尽きるという当たり前の答えを踏まえる
産業能率大学総合研究所によって上梓された本書は、生産性をあげるためのマネジメントに焦点があてられています。
本書は、組織において生産性向上を目指す、主としてマネジャー層の方々に手にとっていただくことを主眼としています。
こんな人にオススメ
- 生産性の向上に悩むビジネスパーソン
- 組織的パフォーマンスを上げたい管理職
本書の構成について
本書は全部で5章から構成されています。
- 生産性向上はなぜ必要か
- 生産性向上と能率10訓の実践
- 生産性向上のための経営指標
- 生産性向上へのアプローチ
- 生産性向上のためのマネジメントのあり方
能率10訓とは
産業能率大学の創立者である上野陽一氏が提唱したのが次に紹介する「能率10訓」となります。
みなさんには、この能率10訓を組織としての生産性向上へのあり方、そこで活躍する人材(=能率10訓の実践者)の心得として理解していただきたいと思います。
- どんな営みをするにもその目的と目標を明らかにし、まずこれを確立せよ。目的と目標のはっきりしないところには励みが起こらぬ。
- その目的と目標を達するために、もっとも適合した手段を選んでこれを実行に移せ。
- もしその手段が目的と目標に適合していないと、あるいはムダあるいはムリを生む。
- ヒト・モノ・カネをはじめ時間も空間もこれを十分に活用するような目的のために使え。活用が正しくないとやはりムダまたはムリを生む。
- ムダとムリとはその性質相反し、世の中にムラを作り出すもとになる。
- ムラがひどくなると大事を起こす。常にムダを省きムリを除いてムラを少なくすることに努めよ。これを怠ると社会は不安になる。
- 能率とはムラを減らしてすべてのヒトとモノとカネとが生かされている状態である。
- すべてのもの(ヒト モノ カネ 時間 空間)を生かすものは生かされ、これを殺すものは殺される。
- 人生一切の営みがこの能率の主旨に基づいて行われなければ、社会は安定せず人類は幸福になれない。
- そのためには個人も家庭も企業その他の団体も、その営みを能率的に運営することが必要である。
一個人の能力を単純に高めるだけでは、組織力は強化できないことがここでは語られています。
能率10訓の実践者とは
一言で言うと、
全体最適を考えた上で部分最適の追求ができる人です。
全体最適と部分最適は相反するケースがしばしばあります。
部分最適を目指して部分最適を追求することは単なる近視眼です。
そうではなく、
全体最適を目指して部分最適を追求するのです。
これはある意味、全体最適を目指して全体最適を追求することよりも困難であるのかもしれません。
本書が出した結論は、
部分最適は全体最適に背反しないです。
つまり、
組織のメンバーが、全体最適を考えた上で部分最適を追求するときにはじめて、先の結論は証明されるのでしょう。
パドー
理想の組織活動への道は、途方もなく長く細いようです。
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