仕事の借りは仕事で返すしかない、でないと再襲撃してくるぞ

投稿日:2016-10-09 更新日:

 

見えない敵、呪い⇒

村上春樹氏の「パン屋再襲撃」は今も人気の高い初期短編集です。

表題作は、ある晩猛烈な空腹に襲われた若い夫婦が夜の街をさまよい、マクドナルドを襲撃するシュールな内容です。

この本のテーマは、呪いです。

ところで、彼の描く呪いについて、我々ビジネスパーソンには見覚えがあります。

今日は、呪いについてお話します。

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パン屋を再び襲撃する

大学生の頃、貧乏であった主人公は相棒と二人、近所のパン屋を襲撃する。

パンを強奪し、そのまま帰るだけだったはずが、店の主人がレコードを聞くことがただでパンを渡すことの条件だと提案する。

二人は、労働を強いられているわけではないので、レコードを聞くことぐらい造作も無いことだと、ワーグナーを聞いたのち、パン屋をあとにする。

しかしながら、何か違うという違和感は、その後、静かに大きくなっていき、いろんなことが上手くいかなくなる。

それから、社会に出て、結婚した主人公はある夜、猛烈な空腹に襲われ、同じく空腹に襲われた妻とともに、パン屋を再び襲撃すべく夜の街を彷徨う。

そのような行動にふたりしてとることになったのは、主人公が学生時代の奇妙な経験を妻に話したからだ。

上手くいかない流れを断ち切るために、私たちはパン屋を今すぐ襲撃しなければならないと、妻が言う。

パン屋が見つけられないまま、マクドナルドを襲うことで妥協し、店長とアルバイトの女の子は、現金ではなくハンバーガーをテイクアウトでという不条理な彼らの要求を受け入れるはめになる。

そして、襲撃に成功したふたりは、こころゆくまでハンバーガーを堪能する。

以上が、人気の高いこの短編の要約となります。

呪いは転送される

大学時代、ワーグナーを聞かされるという不条理な体験により、その後の人生がどうもしっくり来なかった主人公は、それを呪いと呼び、その呪いを解くために、もう一度パン屋を襲撃することを妻に説得されます。

そして、過去に行われたのと同様の不条理をマクドナルドの店長とアルバイトに強いることにより、主人公の呪いは解かれたように見えます。

しかしながら、それは不条理を押しつけられた店長とアルバイトにバトンされたのです。

たまったものではないですね。

呪いの意味

このことから、次のことが分かります。

呪いは決してなくならないこと。

呪いは呪いをかけられたシチュエーションで解かれなければならないこと。

 

この物語を次のように私は解釈します

人生における不合理や不条理や矛盾といったものを、ある意味、受け入れざるをえないところで我々の生は成立しているのだ、と。

それを独特の乾いたタッチとシュール感で描ききるところが才能なのでしょう。

そして、このような状況に我々はそれほど縁遠くありません。

ストレスフルな毎日

ビジネスは厄介ごとの連続です。

厄介を片付けることでお金をいただくといっても過言ではありません。

そのような毎日において、ストレスは貯まる一方です。

そして、仕事が上手くいきそうにないときや、仕事がうまくいかなかったとき、仕事以外の何かで、われわれは、ウサを晴らしたり、忘れようとします。

酒であったり、スポーツであったり、レジャーであったり。

けれども、リフレッシュができないこと、ありますよね。

なんとしても、スッキリしない。

どうしても、スカッとしない。

仕事の借りは仕事で返す

そう、わかっているはずです。

仕事の借りは仕事で返すしかないことを。

だったら、仕事で返しましょう。

返すしかないんです。

だって、呪いがとけないんだもの。

けれども、返したからといって、そこですべてがおわるわけではないです。

仕事はまたやってきます。

新しい顔をして。

また、壁にぶち当たれば、また七転八倒するしかありません。

まさに、呪いです。

けれども、逃げる必要はありません。

現れたら、また倒しに行けばいいのです。

何度でも再襲撃してやりましょう。

あなたなら、できます。

 

水たまりの一滴

たかだか仕事ごときに負けるわけにはいかない。

 

 

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