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「働く女子の運命」とのちょっといい出会い

投稿日:2016-10-16 更新日:

 

「働く女子の運命」との遭遇⇒

今夏、その著書に触れたことのない人事マンは完全なもぐりといわれるほど、影響力の強い濱口桂一郎氏の著作である「働く女子の運命」を研修前の課題図書とし、当社の数少ない女性総合職に一読していただき、レポートの提出を求めました。

以下に、そのレポートの感想についてお話させていただきます。大変興味深かったです。

なぜ課題図書に選んだのか

女性総合職向けの研修参加にあたって、課題図書を読んでレポートを提出してもらおうと考えたとき、はじめはハンディなものを想定していました。

けれども最終的に、「働く女子の運命」に決めた理由は次の2つでした。

当社は女性総合職の数が少数であり、そのうち管理職の方が一人しかいないため、モデル人材がほとんどいません。よって、先輩諸氏がどのように諸問題をクリアしてきたのかを歴史を紐解く形で構成されている本書にて擬似的にでも理解を促進し、参考にしてほしかったからです。

私は、人事関連について検討を迫られる際に、なぜこのような法律の内容なのか、なぜこの制度が一般的に採用されているのかが分からないと、不器用なので上手く考えを組み立てることができません。そのような場面で必ず著者の書籍にあたります。そうすると、過去の経緯について詳細に紐解かれている記述が多いので、ああこういう理由だったのか、そのような紆余曲折があったのか、なるほどねえと合点がいき、腑に落ちる経験がしばしばありました。ゆえに、女性総合職の方がご自身の立場やキャリア形成を考える際に、このように原理的に書かれていて、歴史的経緯が参照できる書籍が、歯ごたえ十分ですが、ためになるだろうと考えたからです。

様々な反応

少ない数の女性総合職ですが、次の3つのグループに分かれます。

中堅層、産休明け復帰者、新入社員

それぞれについて、個別にみていきます。

中堅層の意見

女性が一家の大黒柱として家族を養うといった感覚はいまでも一般的ではない。

子育てイコール女性という目線を外せば、実際には父親一人で子育てをしているケースもあり、女性と同じような困難を実感しているのではないでしょうか。

そもそも女性が前線で働くと想定されていない雇用システムの中で、同等に働くことを求められていることを知り、この状態で女性の活躍といわれてもどう働くべきか、私自身答えを見つけられていないのが正直な気持ちです。

個々人が働きやすい会社を選択し、女性の就労に理解があり、家事も積極的に参加する男性を伴侶に選ぶことが女性の当面の現実的な解決策かと思います。

 

いずれのレポートにもあった、歴史的変遷や欧米諸国との比較により、現状の理解が深まったという感想はカットし、個別の感想、意見をピックアップしました。

現状をよりよく理解して欲しいとの願いから本書を読んでもらったチョイスは、感想から伺うに一定以上達成できたのかなと、一安心です。

諦念や割きりが前面に出ているのではなく、現実を正面から受け止め、極めて現実的な対応を取らざるをえないという彼女たちのリアルを感じ取れたレポート内容でした。

産休明け復帰者の意見

本書の帯の上野千鶴子氏のコメントにあるとおり、「そうだったのか」だった。

ニッポンの企業が女を使わない/使えない理由について、その良し悪しは別として、ここまで長い歴史があるとは思わなかった。

いつも何気なく見ていた給与明細の意味が良く分かる内容で面白かったし、それを理解すると確かに本書に書かれている通り、自分の置かれている場所は男性の領域に女性を組み込んだ男女均等の結果なのだと納得した。

実は、以前社内通達にあった「女性活躍推進行動計画の策定について」の内容において、個人的にはなぜ従業員の有給休暇取得日数が女性活躍に繋がるのか一部理解できなかった。しかし、本書を読んで、有給休暇の取得促進=休みやすい職場=休暇による他の従業員への負担増が少ない=(言い方は難しいが)余力のある職場=勤務時間の長短に関わらず、業務は原則勤務時間内に終了する、という上記「マミートラック」的な働き方だと考えると非常にすっきりした。

本書は女性が置かれた立場を理解するのにとても役に立つが、女性が読むだけではなく、むしろ経営層含む男性に読んでもらいたい本だと思う。

 

いろんなことが、すっきりしたようなので、読んでもらった甲斐があったというところです。

新入社員の意見

まさか制度として結婚したら退職という制度があったのには驚きました。

何をもって「活躍している」と言えるのかよくわからないが、自分にできることや自分に求められていることを考え、こなしていくことで見つけていきたい。

今はまだ仕事に対する思いのほうが強いが、いずれ訪れるライフイベントを考慮し、人生設計を立てたうえで、働く女子として自分の運命を自分で作り上げていきたい。

 

ビジネスパーソンとしてスタートに立ったばかりなので、ある意味、客観視しすぎるところでの感想が色濃く出ているように思えます。

五里霧中を突き進む

いい年のオッサンである自分とは違う読み方に触れ、勉強させてもらいました。

彼女たちに対してこれから何かを考えることの土台作りの提供はできたのかなと思います。

といっても、私はただ良書を紹介しただけですが・・・。

 

著者は「現代の女子の運命は、なお濃い霧の中にあるようです。」と述べています。

そのとおりなのでしょう。視界不良です。

しかしながら、霧の中を進むときに、ボーイズもオッサンも一緒だよということを人事屋として今まで以上に発信していきたいです。

「必ずやり続けてくださいよ。」「かしこまりました。」

 

水たまりの一滴

第四章の最後に極めてデリケートな問題が提起されている。難題だ。

 


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