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機龍警察最新刊「狼眼殺手」寝食を忘れたいなら直ちに手に取るしかない!

投稿日:2017-10-18 更新日:

待望の最新刊、気が付けば読み終わっていた。大失態だ⇒

月村了衛氏の新刊が出ているのであるから、のんびりしている場合ではまったくない

大好きなシリーズ「機龍警察」の最新刊が9月に発刊されていました。

タイトルは「狼眼殺手」。

おすすめ度:

ドラグーンの戦闘シーンが一切ない。でも満足!

うかつにも一週間ほど前に気がつき、とにもかくにもKindleにダウンロード。

むさぼるように読み進め、あっという間に読了していた。

ああ、なんたる失態。

もう読み終えてしまった。

慈しむように、丁寧に読み進むことができない。

活字の国の腹ペコ大将なのか。

待ちに待った待望の書を瞬く間に読み終わるとはなんたる大・失・態。

次から次にページをめくる手ももどかしいというやつは、味わったことのない人にはわからない快楽。

じっくりなんて到底出来ない相談だ。

無条件で本書を推薦する次第です。

よろしければ以前の記事も御覧くださいませ。

以下、内容に言及しますあらかじめご了承ください。

 

 

だんだん上手くなる

不遜な言い方ですが、このシリーズは回を追うごとに、文章が洗練化されていきます。

いわゆるリーダビリティが高まっていきます。

上手いものです。

著者が手の内に完全に入れたということでしょうか。

だれる場面が一切ないことも特筆モノ。

と同時に説明のための文章も最小限に留められています。

ここは素直に凄いです。

物語の進行上、どうしても説明が必要な箇所は避けられません。

たとえ小説であっても。

けれども本書ではそれがほとんど気にならないのです。

ブログにおけるインフィード広告のようなさりげなさ。

見事です。

機龍兵(ドラグーン)の戦いがまったく出てこない

対戦型ロボット同士のバトルは多くのファンを獲得している本シリーズの目玉のひとつです。

が、本作では戦闘シーンは一切描写されていません。

楽しみにしていたひとりなので残念でした。

しかしながら、機龍警察を機龍警察たらしめているもうひとつの構成要素である「警察官としての矜持」については十二分に描かれています。

ゆえに、今まで戦闘シーンがちょっとと遠ざけていたり、評価を低くしていた潜在的な読み手の開拓を大いに成したものと思われます。

警察官僚の実態や組織力学の複雑さなどが、実にリアルに魅力的に書かれています。

警察小説ファンも納得の一冊に仕上がっていると言えるでしょう。

主要メンバーの過去はあと2つか?

シリーズが始まってから、1冊ごとに主要メンバーの過去とからめながら物語りは進行してきました。

「自爆条項」では、ライザ・ラードナー警部

「暗黒市場」では、ユーリ・オズノフ警部

残りは沖津特捜部長と傭兵出身の姿警部のみでリーチがかかっていました。

今回、沖津の普段の生活実態はほんのすこし触れられていました。

でもまだまだ謎のベールに包まれたままです。

姿に至っては何らの言及もありません。

ためますね。

従って、この先、二人の過去が詳細に語られていくものと予想されます。

自分にとっては最も魅力的な人間が残っていることになるので本当に楽しみです。

村上春樹作品と主題は共通

優れた文学作品、エンターテイメントには共通項があり、それらの作品が鋭敏で忠実な時代の鏡であるという点です。

今日的課題をわしづかむ村上春樹は村上が個人的に考えたり感じてきたことを、阪神淡路大震災及びオウム真理教事件を契機とし、より普遍的に根底的に純化していきました。

「われわれの生は極めて脆弱なものの上に成立しており、いつ崩れてもおかしくはないのだ」という認識が作品の底に流れていることは多くのファンの知るところです。

この認識は機龍警察の生みの親である月村了衛にも見て取れます。

彼の場合は「テロという現象に析出する世界の根源的不安」にフォーカスし、物語を構成しています。

そのような生を余儀なくされる我々がどのようにして世界と折り合いをつけていくのかが、主人公の立ち居振る舞いや決意を通じて鮮やかに切り取られていくのです。

ゆえに、村上春樹ファンは月村了衛の作品に触れる機会がもっと増えてしかるべきだと思うのですが。

今後もこの二人の同時代作家の作品には目が離せません。

ていうか決して離しません!!

 

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